第17話 赤い龍

魔族問題は一応解決。


ジュリエッタは赤い龍を見ながら・・


「龍族の王子はどうなさいますか?」

ジュリエッタは赤い龍を見ながら言う。


「王子?」

私は赤い龍に聞く。


「はい、勇者様、私は龍族の王子です。」

赤い龍は答える。


「なんで教えてくれなったの?」

私は驚いて赤い龍を見る。


「聞かれなかったので・・・」

と龍の王子。


(私、龍族の王子をタクシー代わりに使っていたの?)

龍族の若手?と長老が言っていたので・・・王子とは・・・知らなかった!


「ジュリエッタ姫は知っていましたか?」


「私も知りませんでした。ただ、龍族の長老が推薦する方ですので地位のある方とは思いましたが・・・」

とジュリエッタ姫。


龍族の王子は私を見ながら・・・・


「私も勇者様に付いていこうと思います。」

と青い瞳でこちらを見つめる。


(真剣なのだろうけど・・・・鱗が多い爬虫類?なのでちょっと怖い・・・食べられそうで)


「ゆきち様、龍族の王子にも付いてきていただいては?ボディーガードに移動の足、色々と役にたつかと・・・・」

とジュリエッタ。


(ボディーガードは良いとして移動の足・・・・・ジュリエッタも酷い事を・・・・でも、確かに空を飛べると便利だな~)


「分かりました。よろしくお願いいたします。龍族の王子」

そう私が言うと・・・龍族の王子は体を伸ばし、


『ぐお~~~~~~~』

と雄たけびを上げる。

その爆音で地面は揺れ、空に浮かんでいた雲は消えてしまった。



「さて、ゆきち様はいかがいたしましょうか?」


「ジュリエッタ様はどうするのですか?」

私は逆に質問してみる。


「私ですが・・・・・誰とは申しませんが、”誰か”が私を”卑劣な魔法アイテムで監禁”している間に、”誰か”が”凶悪な魔法”を使った事により、この世界が大被害を被りました。その凶悪な魔法を使えるのはこの世界では私しかいない・・・で犯人として私が疑われています。」

とジュリエッタ。

”誰か”と言いながら強調して私を責める。


「その”誰か”のお陰で、私は国に戻ったら責任を取らされて、処刑・・・・でしょうか?」

と言い、すすり泣く。


(確かに・・・・私が原因かも・・・・」

ちょっと心が動く。


「ゆきち様、あのような大惨事を引き起こす魔法はエルフ族ではジュリエッタしか使えないので・・・・処刑も間違っていないかと・・・。」

とメルフィス姫、いらない助言をしてくれる。


私は考えて・・・・質問する。


「ねえ、魔族の王よ。」


「ご命令を勇者様。」


「私達は北側から来たけど・・・・魔族がすんでいるこの地域の南側はどうなっているの?」

私は質問する。


「南側ですか?・・・・はい、魔法が使える者が少ない者達が住んでおります。」


「魔法が使える者が少ない者達?」


「はいその者達が王を中心として、生活しております。我々魔族の労働力として働いてもらいますが」

と魔族の王。


「メルフィス姫?知っていましたか?」

「私は全く・・・・。」


「ジュリエッタは知っていましたか?」

「私も・・・書物でそのような者達がいるとは聞いていましたが・・・・我々エルフ族と魔族とは不可侵の取り決めがあり、魔族が管理するエリアの先がどうなっているのか我々では知る方法がなかったので・・・。」


なるほど・・・・

私は決める。


「その魔法が使える者達が少ない世界へ行ってみましょう!大惨事から世界が立ち直るまで!」


「ジュリエッタはどう思います?」


「私は国に戻れないので・・・・ゆきち様に従います。」


「魔族の王は?」


「聞くまでもございません。」


「龍族の王子は?」


「お供いたします。」


と皆が答えてくれる。


(せっかく来た魔法と冒険の世界!楽しまないと!)


「4人で南方探検に行きましょう!」


「はい!」


こうして4人で冒険をすることになった。






因みに・・・・。


「私の名前は足立夕貴(あだち・ゆうき)。

また、勇者と呼ばれるのは・・・・なので『ゆうき』とよんでね。」


といった所・・・・。


「ゆきち様はゆきち様でしょう?」

とジュリエッタ。


魔族の王も、龍族の王子も・・・・

「勇者を外して”ゆきち”様と呼ばせて頂きます!」


「・・・・・・」

残念!名前の変更が出来ない・・・

相変わらず・・・とんだ”糞げー”だ!



ぴろり~ん

勇者・ゆきちは・・・

龍族の王子を冒険するメンバーに加わった。

ジュリエッタが冒険するメンバーに加わった。


勇者・ゆきちはリネームの呪文を唱えた・・・ぴろぴろぴろ・・・しかし何も起こらなかった。

勇者・ゆきち達は、南に向かって逃亡改め、旅立った。



次回から、タイトルにある、異世界見聞録編になります。

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