第5話 インターネット望遠鏡の影
すると突如、アバターみたいな世界に引き込まれる。
「こっこれは一体?」
私が驚くと、鈴木さんはインターネット望遠鏡の解説をする。それによると、アバターみたいな装置で、宇宙を体感できるといった内容であるが、私はこれだけでは物足りないと答える。
「ちょっと、そこはひどく関心する場面じゃないの?」
すると隣に座っている、幼馴染がそのような発言をした。幼馴染とは、霧島詞の事である。霧島は田中との古い交際歴があり、田中の事は大抵知っているつもりである。霧島が言うには、インターネット望遠鏡を褒めろという意味合いだと思われるが、私はそのように感じられなかったのである。
「初めまして、霧島さんですか。インターネット望遠鏡の可能性はまだあるとは思われますが、まあ感想は人それぞれだと思いますので」
鈴木さんは大人の対応を見せた。この時、宇宙人が空から現れると知ったら、私はインターネット望遠鏡の事を非常に褒めちぎるであろうが、この時にインターネット望遠鏡の画面で宇宙人飛来の映像が入っているとは、そんな事知る由もなかったのである。
「まあいいわ。田中が宇宙の事、本当は興味なんて無いとわかったし」
「そんな事を言うなよ。自分が宇宙の事をよく知りたいと思ったのは、ガンダム繋がりの話だから。それ系統の話ならいいと思うのだが」
霧島はあっそうという感想を漏らすと、興ざめしたようである。
「今日は暇そうだから、最後まで付き合ってあげる。宇宙の話を鈴木さんと好きなだけ話をすればいいわ」
「そんな事言うなよ、ひどい奴だな、霧島は」
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