メイン妹きた! これで勝つる!
うーん……お兄ちゃん分が足りない――お兄ちゃん分とは兄のオーラのような物である、ため込んでおくことが出来るらしい――そうだ、甘えよう。
「おにーちゃーん! 可愛い妹がやってきましたよ! ほら、もてなして!」
「可愛いというのは否定しないが明らかにもてなすような関係じゃないだろうが……」
そうは言う物の追い出すことはしない、だって後が怖いし。
「言いましたね? 私が可愛いと! これで私が可愛いのは確定的に明らかです!」
「最近の若者の言葉遣いじゃねえな……」
F○11とかもうナンバリングいくつ前だったっけ?
「MMOがスマホばっかりで寂しいじゃないですか! その心に開いた穴をお兄ちゃん成分で埋めようかと」
時代の流れと諦められないのだろうか……というかせめて14にしろよ、マジで意味分かんない人が出るぞ……
「俺は今太陽光に飢えてるんだ、今はこのままだと芽の出ない種子の気分だよ」
「むぅ……私が来たんですよ! 太陽にも等しい私が来たんですよ!」
「どこから来るんだその自信は……」
頭がハッピーセットなんだろうか? マジで大丈夫か心配になるな。
「ふっふん、お兄ちゃんが可愛いって言った! あ! 録音アプリを起動してなかった! お兄ちゃん! もう一回言って!」
「いやです」
やれやれと妹は首を振りため息をつく。
「じゃあこの部屋のカメラのログから引っ張り出して保存しておくのでもう出ていきますね」
なんだか俺の発言を保存しているらしい……というかカメラって……まあやりかねないとは思ってたけどさ……
俺は逃げることも出来ず部屋から出て行く妹を見送った。
うん……俺も妹と心中したくはないしね。
一方妹の管理ルーム――
「ふふふふふふふ……やりました! お兄ちゃんの言質ゲットです! この調子でお兄ちゃんのボイス集とか作りたいですね、次からは部屋に入る前に録音アプリを起動しておかないといけませんね、ククク……」
邪悪な笑みを浮かべる妹であった。
「腹が減った……」
妹は夕食を運ぶのを忘れて兄は明日の朝まで空腹に耐えるしかないのだった。
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