迷ってるからこそ

こめ おこめ

誰に言っているわけでもなく

 前の会社で稼いだ貯金も尽きた。やりたいことがないので家から近いところでバイトをして何とか生活をやりくりする。

 前は死んだように働いていた。このままではだめだと、決心し、一歩踏み出して辞職届を出した。

 しかし今現在思えは生きているのかと問われると「yes」とは答えない。死に場所が変わっただけでやりたいことなんてやっていない。ただ以前の嫌なことから逃げて、新しく嫌なことを始めただけだ。


 子供のころの夢はサラリーマンだった。安定した生活、普通の生活が一番だと、小学生の頃に思っていたのだから自分でもなんて小賢しい子供なんだろうと思う。

 しかしその普通がこんなにもつまらなく、価値のないものだとは思いもしなかった。ただひたすらに『普通』を求め、安定のみを追求した結果、何も、何も残らないのだ。


 新しいことに何か挑戦しなければ、そう思い色々なアルバイトをして自分のやりたいことは何かを探した。しかしどれもが「辛い」「楽しくない」とすぐにやめてしまった。思ったよりも自分はダメ人間ということが分かった。

 

こんな自分だからだろうか、友達なんていもしない。いや、正確にはいたのだろう。しかし社会人になってからも連絡を取り合うほどの中の友人なんていなかった。職場での人間関係も悪くはないものだった。けど、あと一歩、その人に踏み込めず職場だけの関係になってしまっていることばかりだ。


 自分には何が残っているのだろうか?そう考えた時に出るものは後悔しか出てこない。前向きなものが出てこない。そう考えているうちにふと『死』を意識してしまう。

 もちろん死ぬ勇気なんてなくてこうやって生きてしまっているわけだが。


 ネガティブな方向にばかり思考が進んでしまい、最終的には思考が停止してしまう。なのでポジティブな方向に舵をきってみた。

 具体的な行動として成功者たちの行動指針を学ぶことである。これは動画だったり、本だったりと、とにかく藁にでも縋るつもりで漁りまくった。

 まずの感想として「どいつもこいつもキラキラしやがって」というものである。そうだ、これは妬みだ。しかし自分にとってこれは良いものとなった。なぜならこれがエネルギーになったからだ。


 様々な行動をする中で自分のエネルギーがなくなっていきすべてにマイナス感情を抱くようになった。こうなるとどうなるか。そう、「あぁ、ダメだな俺は」で終わってしまい次がないのである。『妬み』の感情で多少のエネルギーが補充された今、「ダメだった」→「あいつらはどうしてたんだ?」と思考が回るようになった。もちろん気持ちとしては「教えろお前ら」くらいのもので荒んでいるので良いものとは言えないが。

 こうしているうちに「なぜ自分が行動できないか」や「好きなものの見つけ方」等を片っ端から学んでいき、改善、実践していくことができた。

 もちろん物事はうまくいかずほぼすべてが三日坊主だったのだが。

 そんな日々を過ごしていくうちに自分が楽しいと思えることが見つかった。それは『成長すること』『天才になること』である。

 この二つはほぼ『成長すること』=『天才になること』と考えてもらって構わない。


 人類のほとんどが「自分が天才だったら」と考える時があったはずだ。私はこれを常日頃から思っている。天才だったらもっと楽で楽しい生活で来たんだろうなと。もちろんそんなわけないのでこんなの妄言の垂れ流しだが。

 少なくとも天才になれば道は広がるだろう。では、天才になるにはどうするか?それは天才といわれている人間の思考を学び、その人の持っている情報を同様に持っていることではないかと思う。もちろん他にもいろいろな要素で天才というものは創られているだろう。しかし上っ面で天才を作り上げるだけなら『思考』と『情報』のみでいいと結論づけた。

 もちろんこんなもの張りぼてなので少しでも掘り下げられればそれは崩れる。しかしそんなことはどうでもいいのだ。作り上げられた天才なんてしょせんその程度で、そしてその程度を演じ続けいつかそれを本物だったと言わせればこちらのものであると、私は強くそう思う。


 ここで読んだり見てきたものが少し役に立った。いくつかの実践を得て、たとえそれが三日坊主でもそれを行動することができたのだ。天才の小指の爪程度には真似で来たといってもいいだろう。

 もちろんこんなもの継続できなければ意味もないし振出しに戻ってしまう。だが前にはなかった『自分が天才に近づいた』という事実は確かに出来上がったのだ。

 あとはこれを積み重ね、はりぼての不格好を整えていけばいい。とにかく行動し続けて自分が『天才になれるのでは』と、自分をひたすらにだまし続ける。


 こんなことしてもゴールに近づけるわけではないし、周りから見たら滑稽で仕方がないだろう。しかし死に続ける毎日からは解放されたと確信を持って言える。


 必ず私は途中で行き詰まり、また死に続ける毎日に戻ってくるだろう。なのでその都度周りの人間を見て、妬み、羨み、それをエネルギーにして行動しよう。「俺だってやればできるんだクソッタレ」と嘯きながら。

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迷ってるからこそ こめ おこめ @kosihikari3229

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