第38話

俺は、一線を超えた。


真後ろに身体を向き直し、真正面から堂々と裸の愁花と向き合う。


「きゃああ。みるなあ~」

内股をキュッと閉じ、胸を隠す姿は、正に少年漫画のヒロインのそれみたいだ。


「あんなぁ、あんまり大人の男舐めっとたら、犯されんぞ」

まっ裸の小学生に言うセリフではなかった。でも、もう目はそらさない。


「ええよ、マサルにやったら・・うちの処女あげるし」

本気だ。少女の恋心は、ちょっとやそっとじゃ折れないのは良く知っている。


「俺な、愁花のこと好きやで・・」

もう、これでいこう。


「えっ、ほんまに」


「ほんまや。正直お前が、あんまり可愛いんでもうエッチしてまおうか・・」

「って思ってんで、ほんの、ついさっきまではな。」


「うちは、いいよ。」


「でも止めた。」


「なんでなん?やりたいんやろ?してええのにぃ」


「お前のその顔な、純菜さんにそっくりやもん。」


「好きやって言うたやん。しいや~」


「背も、もうママと同じくらいやろ。胸は、まだまだ小さいけど直ぐに大きなって純菜さんも、太刀打ちできんくらいの・・めっちゃいい女になるから・・」


「うん。早く大人になりたいよ。やから、うちとエッチしてやぁ」


「俺は、純菜さんに恋してる。やから、お前とはせーへん。」

「ママを裏切る事になるからな。しかも、俺とお前でな・・」


「そんなん・・」


「愁花、お前な、俺と初めて会った時に言った言葉おぼえてるか?」


「うん・・しっ『死ね』って言うた。マサルに、うちのママとられると思ったから」

愁花が、何かを感じ取ってくれたのか、少し涙ぐんでいる。


「今度は、ママがそんな気持ちになるんやで」


「ママは、なれへんと思うもん。」


話に、夢中になる愁花は、気がゆるんで上も下も全開に開いている。まじ、こいつエロい身体してるわ、そりゃあ、あの純菜さんの・・あ、くっそっ


「なるから!世界で一番大好きなふたりに裏切られたら死にたなるから!!」

すけべ心を振り切る勢いで声を張りあげる。


「ちょっと、その人の立場になったらわかるやろ!」

「バカなんか!お前は!!」



その後、愁花は、少しの間下を向いたまま泣いていた。


言い過ぎたかも知れないが、これでいい。


この日、愁花と俺は、同じベットで引っ付いて寝た。


もちろん、なにもエッチな・・こと


って・・ああああ。

亜子先生の事すっかり忘れてたあ~

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