第34話


「まさるぅ。早よ開けえてやあ~。もう」


どうする?

玄関は一つ・・もう無理か?


どうしても愁花と亜子先生が、かち合ってしまう。


「先生とにかく、今はココに隠れてて下さい。今日は、幸いママはお泊りなんで愁花だけしかいませんから何とかします。後で必ずココから出しますから・・」


「あたひゅわあ、でぃじょぶでひゅよ・・」


「絶対に声出さないで下さいよ」


「ひゃぁい」


仕方なく・・いや、もうそれしかない。

亜子先生には、悪いけれど、寝室のクローゼットの中に隠れてもらう事にした。

500㏄のペットボトルのお茶を持たせ、濡れた服もタオルも靴も一緒に放り込んだ。


ガチャガチャ、


「愁花ごめ~ん、寝てしもてたわ~」


「許さんでぇ。うち怖かったやんかぁ、変態とか来たらどないするん?」


「ほんまに、ごめんな。お詫びに、お風呂洗ってきます。」


「もう。一緒にはいってくれたら許したるわぁ」


大急ぎでお風呂を洗う俺!


5分でピカピカになった。


俺も、やればできるなぁ。


「愁花、お風呂入りや~」


「は、はや!なんでそんな洗うん早やいん?てきとーに洗ろたんやろ」


「ちょっと、本気出した。ピカピカやで」


「でも、まだ良いわ~。アキちゃまの生配信観るから~」


や、やばい・・アキちゃまの生配信は、一時間以上やるからなあ。


急に亜子先生が、心配になってくる。


どうする俺!考えろ俺!


「しゃあああ!」


「きゃあ、なになに~ビックリするやろ」


「あんな、今日は、ママおらんやんかぁ。」


「うん。いないね、でなんなん?」


「おまえ、俺とお風呂入りたいってずっと言ってるよなあ?」


「え?いいのん、やた~。入る入るよ。いまからぁ?」


「お、おう。愁花の為に考えてんけどな。水着で一緒に入るねん」


「ほ~。まあ、ええかなあ。そんかわりに頭と体の洗いっこはするで」


「しゃ、しゃあないなあ。」


「えっと。そや、うちの水着クローゼットの・・」


「あ!はいはい。取ってくるから待ってな。あと風呂入って何するか紙に書といて」


「わかった。書くぅ・・」



ぷはあ。やばかった~


スルスルスルスル~カタン


「せ、先生ぇ~。いまから愁花とお風呂入りますから・・スキをみて出て行って下さいね。30分くらいは、時間つくりますから・・くれぐれも愁花にバレないように」


「・・・・ひゃぁい」


だ、大丈夫かあ、心配すぎる。


ここは、亜子先生を信頼する他に道は無かった・・

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