第27話

和やかに、親子懇談は、始まった。


「・・・・・・活発に参加しており・・友達も多くて

・・かくかくしかじかで、何も問題ありませんわ・・」


「はい。そうですか」


<はあ、良かった。何とか普通に終わりそうだな>


「で、お父様・・お仕事の方は・・」


き、きたあ。どうしよう?


「あ、えっとー。あの、ですね・・」


「あっ。パパはな、毎日家でなあ、・・」

<おい愁花。何を言う気やねん。>


「本とか書いてるねんで・・」


「え、本・・作家さん?」


「え、あ、いやあ。大したこと無いんですけどね。あははー」


「素敵!私、H大の文学部なの、しかも文芸部だったんですよ。」


「パパは。K大やよ。」


「す、すごい!K大文学部は、有名な作家さんだらけね。」


「あはは。ですよね~。」

<おいおい、K大は本当やけど、経済学部中退の竿師ですが・・おい>


「良かったら。作品教えて下さいな。」

<イケメン筋肉作家・・いいわあ。愁花ママには、もったいない。>


「屑の極み・・とかやんなぁ」

<おい愁花われ、なにゆうとるんじゃ>


「え、あれは、ジミー・ケンさんの本じゃ・・」

「ご、ゴーストなんですよ。実は・・ちょうど、連載も終わって暇だったんで・・」

<くう~~、乗っかっちゃたやんけ。でも、ジミケン先輩のなら話があうし・・>


「れ、連載・・著名人のゴースト。凄いですぅ~」


「あはは。それほどでもないですよ。」


「来週の家庭訪問の日に良かったらお仕事場拝見せて下さい。お願いします。」


「は、はあ。い、いいですけど・・」


「やった~。私もね、今でも書いてます。作家は憧れなの、尊敬します。お父様。」


来週の木曜日。


亜子先生が、家に来る・・

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