第4話 シングルベルでベリークルシミマス 戦士は戦います。

 それから2か月、二人は交差する事なく時が過ぎた。


 世間ではクリスマス。

 聖夜とか性夜とか言われるクリスマス。

 一人者にはシングルベルでベリークルシミマス。

 世間が恋人や家族と過ごすいちゃラブや家族サービス、または主に独身者や彼氏彼女が居ない人が中心に仕事に追われてるこの前後数日。


 だがしかし、この時期は追い込みなのである。

 年末に全てを賭ける戦士ヲタクにとっては12月最後の3日は戦場なのである。


 戦地は東京ビッ○サイト

 戦士にとってかけるべきベクトルは違うのだが、冬なのに暑い、熱い、そしてある意味厚い。

 日本の経済の一部は夏と冬のコ○ケで回っている。(と思ってる人もいる。人とお金はヲタクが回してるといっても過言ではない。)


 

 そう、友紀は今追われていた締め切り間近なのだ。

 衣装作りに、新刊であるCD-ROM作りに。

 5日前でそれはやべーだろというツッコミもありそうだが、戦士は当日の朝まで準備で必死なのだ。

 もっとも締め切りといっても印刷会社やプレス会社に出すわけではないので、自分の中での締め切りなのだが。

 


 ちなみに初日と二日目は三日目を絶対休むという理由付けのため仕事となっている。

 そのため24日や25日も昼間は働き、夜は趣味にと戦っている。

 ひと段落し、今はダース買いしたMAXコーヒーの缶を冷蔵庫から取り出し、一気に煽った。


 「んー糖分最高!」


 そして、運命の歯は廻り始める。


 ただしその運命の歯車がうまく噛み合うとは限らない。

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