終末のフリークス

綿貫むじな

Day1:流星

 日付も変わり、今朝が締め切りの記事があるというのにネタが何も出ない。

 椅子にもたれながら天井を眺めていた時。

 ふと窓の外を眺めると、一筋の光が流れていった。


 流れ星か。珍しいものを見たな。


 待てよ。

 流れ星と言えば隕石。

 更に隕石と言えば、地球に落下して寒冷化の波が訪れ、地球滅亡。

 これだ。

 これでなんとか記事の目途は付いた。


 朝、ようやく俺は記事を書き終えた。

 後はデスクに見せて承認を貰えれば一件落着だ。

 全くタブロイド紙の記者なんかやるもんじゃない。

 こんなゴミをまき散らすような仕事は滅びるべきだし、足抜けしたい。

 昨今の不況で転職は中々捗らないが。

 

「辞めてえな。こんな会社」



 

 仮眠を二時間取った後、編集部に戻ると編集長が出社していた。

 編集長に記事を見せると、渋い面をしながらもOKをくれた。


「エヴァンス、いまどき世界終末論とか流行らんぞ? 締め切りが近いから今回はこれで許すがな。もっと読者が喜ぶような記事を書け」


 などと言われながら。

 どうせこんな紙面を埋める為のヨタ記事誰も読まねえよ。

 帰り仕度をしていると、流しっぱなしにしているTVからニュースが流れていた。


「アリゾナ州の砂漠に隕石が落ちました。大きさ、質量はまだ不明……」


 俺の書いた記事が世に出る前に半分本物になったか。

 予言者になれるかもしれんな。

 今日はもう帰って酒でもあおって寝るか。

 疲れた。

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