夏祭りで、中学時代の同級生と再会した短大生のカナメ。
一人は、かつて彼女によく悪態をつき傷つけた松村。
そしてもう一人は、一件彼女をいじめていたように見えて、だけど実は孤独から救ってくれた田端君でした。
かつて田端の気づかいが端から見るとどうしようもなく不器用にも見えだけど同時に温かくも感じます。
そんな彼に想いを寄せていたカナメですが、それぞれの立場と周囲の視線を恐れて、結局は何も伝えられないまま終わってしまう。誰かを好きになるのに資格も権利も必要ないのに、本人達ではなく周囲の環境のせいで何もできなくなる。そんなことって、実際にも多いのではないでしょうか。
しかし、成長し狭い教室から解き放たれた二人なら、もっと素直に近くで寄り添えるはず。
再び出会った二人の行き着く先を見届けてください。
短大に通う女の子、カナメが夏祭りで再会したのは、中学時代の同級生の男子、村松くん。
傷つくような事をたくさん言ってきた村松くんの事が未だに苦手。
そんな村松くんから逃げてたところで偶然出会ったのが、これまた同級生の田端くん。彼もまた、中学時代にカナメにちょっかいをかけてきた男子ではありますけど、村松くんとの違いは、それが嫌なものではなかったと言うこと。
一見すると村松くんも田端くんも、カナメの事をいじめているように見えていましたけど、そこには明確な差があったのです。
苦しんでいた時、支えになってくれた人がいた。学校に馴染めず、孤立していたカナメにとって、彼の存在がどれだけ大きかったか。
胸を刺すような痛みと、誰かを強く思う気持ちが色濃く描かれた、切なくも熱い恋愛物語です。