第14話 放課後のナンセンシスター
「えっと、あなたってあの魔法少女さんですよね。あれ、やっぱり未成年じゃないですか!!へえー変装もお上手なんですね。」
「は?あなた誰のこと言ってるのよ?あなたと会ったのは今日が初めてよ。」
「またまたー。僕は記憶力がいいんですよ。それに目も同じじゃないですか、
髪の色は違いますが、こんなに似ているひとがいるわけありません。」
今は転校してきてから二日後の放課後だ。奇等はある少女と話している。容姿はあの右隣の家に住んでいるあの人にとてもよく似ている。本人は違うといっているが、奇等はあまり信じていない。
「ふーん。じゃ、あなたどこでその人とあったの?」
「何を言ってるんですか、本部のビルで、隣の部屋じゃないですか。」
「ちょ、それって、お姉ちゃんじゃない。よく会えたわね。あの人は趣味とかなんとか言って仕事の時以外はほとんどあの部屋から出てこないのよ。」
「そうなんですか、なるほど、それなら確かにおかしくありませんね。
でも、あなたなんでそんなに身長高いんですか?お姉さんよりかなり高くないですか?」
「あー、それはね、何故かわからないんだよね。うちは代々そんなに身長高くないんだけど、私だけ高いのよ。」
身長が高いといっても、180センチある奇等より少し小さいので175ぐらいだろうか。
それでも、高1にしてはとても高いほうである。あの魔法少女に比べると、頭2つほど違いそうである。
「そうなんですか、てっきり変装で、中は半分ぐらいバネかなんか入ってるのかと思いました。」
「で、なんの用よ。私を茶かしに来ただけじゃないんでしょ。」
「いえ、からかいに来ただけですけど。…うーん。しいて言うならお名前を聞いてなかったのでそれを聞こうと。」
「ほんとにそれだけなんだ…。お姉ちゃんの名前は
星に奈良の良って書いてセラって読むの。ちなみに私の名眼は
「そうなんですか!ありがとうございます。」
「そ・の・か・わ・り、私に見せてほしいものがあるの。」
「ふえ!?なんですか?」
「それわねー、あなたのライセンス証。」
「……ホントにそれマナー違反ってわかってますか?」
「わかってるわかってる。誰にも言わないし、情報売ったりしないよ。神に誓って。」
「…はあ、わかりましたよ、見せればいいんですね。見せれば。」
そういって奇等はそれを取り出す。
「やった!どれどれ、わっこれすご、お姉ちゃんの隣に住んでるっていってからもしかしてと思ってたけど、やっぱ1級なんだ。それになに、この時空自在と水神って。
あなたダブルアビリティ保持者なの?」
「はい、本当に誰にも言わないでくださいね。ある人から念をいれて注意されているので。」
「ふふ、わかってるわよ。私も奇能力者の端くれなんだから、マナーぐらい守るわよ。」
「ありがとうございます。それでは!」
「ちょっと、最後にさ、ちょっと耳貸してくれる?」
ちょっと、いやかなり嫌な予感がする。しかし断る理由がない、奇等は言われるままにそうする。
//あの、さ、…私があなたに一目ぼれしてるって言ったら信じる?//
「ふぇ!?なんで急にそんなこと。」
//ちょっと、声が大きいわよ。ふふ、慌ててるのね、かわいい。//
そういって、空さんが優しく耳を噛んできた。これはやばい、ほんとうにやばい。
「ひゃ!!ちょっと、やめてくださいよ!」
「冗談よ、おもしろいわね、あ・な・た。」
そういって、心なしか顔を赤くしながら、空さんは帰って行った。
「…冗談キツイですよ、ナンセンスですって。…ほんとにあの姉妹はあああああ!!」
僕はかなり怒りながら、同じように帰って行った。このあと星良さんに文句でも言ってやろうか。
精神的にとても疲れた日だった。
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