第7話 偶然の美少女との会話


「えっと、改めまして、僕は時道奇等って言います。貴女は、天王寺花蓮さんだよね。」


思い切ってタメ語で話しかけてみる。


「そうだわね。私は天王寺花蓮よ。…ふーん、あなたが昨日のスピーチをやった人?」


「そうだよ、途中で終わっちゃったけどね。…僕は15だけど、同い年だよね?」


「うん。…実は私、同年代の男性とほとんど話したことがないの、だから、いろいろ聞いてもいい?」


花蓮さんは少し申し訳なさそうに聞いてきた。


「もちろんいいよ。なんでも聞いて。」


花蓮さんの顔がパッと明るくなった。僕はそのきれいな笑顔に少しドキっとした。


「じゃあ、まず、どこの学校に通っていたの?」


「東京都立凜鳥高校に通っていたよ。」


「あそこ?もっと難しい私立に行っていたんだと思ってた。」


「家に負担をかけたくなくてね。」


「そう、じゃあ次、趣味は何?」


「趣味かー。うん、僕は音楽が好きだから、ピアノとギターはひけるよ。」


「そうなんだ、また今度聞かせてくれる?」


「僕なんかの演奏でいいならいつでも聞かせてあげるよ。」


「ありがと。じゃあ、前の学校に彼女はいたの?」


「え、急にどうしたの?僕には残念ながら彼女はできたことないよ。」


「そうなんだ。ううん、ちょっと聞いてみたくなってね。」


「ふーん。次はこっちから聞いてもいい?」


「いいよ。」


「じゃあ花蓮さんってさ、どんな『花蓮お嬢様、ヴァイオリンのレッスンの時間でございます。』」


「あ、ごめん、それまた今度でいい?」


「ぜんぜんいいよ。花蓮さんってヴァイオリン弾けたんだね。」


「そうなの。今度一緒に演奏しても楽しいかもね。」


「うん。じゃあまた今度!」


そうして、花蓮さんは出て行った 。


とりあえず、もらったベッドに寝っころがった。

うわあ、最高だ。一気に眠くなる。


「それにしても、天王寺学園か、協会の人が養ってくれるんだから。奇能にも精通したところなんだろうなあ。……来斗たちは元気にしてるかな。」


僕は小さく呟いて、少し寝ることにした。



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