第34話クラス対抗戦11


〜〜〜〜〜〜〜〜〜saidセルシア〜〜〜〜〜〜〜〜〜



  まったく、何が1人で、やることがあるよだ。1人じゃなくても、いいじゃない。それに、相手のいる方向を教えるから、4人で行けって、方向を教えてもらっても、いつ相手とぶつるか、分からないじゃない。


 それはおいといて、相手のいる方向が分かるってことは、初戦の時に、私達が反対方向に歩いていったのを知ってて、教えなかったってことでしょ。意地が悪い。


 はぁ、けど今言ったところで、あいつはいないし、どうせ「わすれてた。」って、言うに違いないわ。わざとのくせに。


 「ねえ、セルシア。さっきから、ずっと歩いてるけど、全然敵に会わないね。」


 そうなのよ。さっきから、ずっと歩いてるけど全然相手が見つからない。


 「まさか、嘘の方向を教えてきたとか。」


 「それは、ないと思いますよ。」


 「なんでかしら? あいつなら、やりかねないと思うんだけど。」


 「流石に、嘘の方向を教えてくる、メリットがないと思うんですけど。」


 「けど、そんなこと、絶対的な理由にならないじゃない。」


 「けどね、セルシア。レクス君が、意味ない事なんてしないと、思うよ。」


 「なんで、そんなこと言えるの?」


 「だって、レクス君って、私達に意味がないことなんて、したことないと、思うんだけど。訓練も私達のために、する必要なんて、ないよね。」


 「なんたって、レクス君1人で、勝てるんだもん。なんだかんだ言って、私達のために、動いてくれてるでしょ。」


 「それは、そうだけど。でも、流石に方向だけって、ひどいと思わない?」


 「これもきっと、理由があると思うよ。」


 「ふぅ~ん。リーシャってさ、やけにあいつの肩持つよね。」


 「えっ、そ、そんなことないよ。」


 「けどさぁ、いつもいつも、あいつの味方だよね。」


 「だって、レクス君って、なんだか敵をたくさん作る行動ばっかしてるじゃない? だから、なんだか私だけでも、味方になってあげられないかなって、思うんだよね。」


 「それってさ、あいつのこと、好きってことだよね。」


 リーシャは、顔を真っ赤にしていった。


 「えっ、そ、そんなことは、な、ないよ。多分。」


 はぁ、なんで認めないのよ。そんなに、顔をまっかにして。


 「そんなことは、置いといて、さすがに敵に合わなさすぎないかな?」


 「そうだな。さすがに、敵が来るのが、おそいんじゃねぇか?」


 「まさかだと思うんだけど、奇襲とかされたり、されないかな?」


 「そんなことは、ないとおもうんだけど。」


 そんなことを、言っていると、後方から魔法が飛んできた。


 「きゃっ」


 「リーシャ、大丈夫?」


 「う、うん。大丈夫だよ。ちょっと、かすっただけだから。」


 「そう。二人とも、敵からの攻撃よ。」


 「あぁ、わかってるぞ。」


 なんで、後ろから攻撃が来るのかしら。まさか、探知魔法を使えるのかしら。それなら、こっちがとてつもなく、不利じゃない。


 「ガザンは、いつもどうり前衛を、アリクは遊撃を、してちょうだい。」


 「セルシア、私は何をすればいいのかな?」


 「リーシャと私は、後方で支援しましょう。」


 敵は3人いる。ガザンが、2人を抑えてくれているが、うまく連携されていて、少しずつだが、押され始めている。もう1人は、アリクと私たちが支援して、やっと抑えられている。


 人数的に有利なのに、押しているどころか、押されている。2年生と戦った時は、15人いたけど4人で戦って、勝つことができた。


 3年生には、たった3人だけで、押されている。3年生と2年生には、こんなにも力の差が、あるのかしら?


 「おい、セルシア。こっちは、もう持たないぞ。」


  どうすればいいのよ。なにか、なにかいい案はないのかしら? 


 そうよ。


 「リーシャ、ガザンの敵を、できるだけ濡らしてくれない。」


 「わかったけど、こっちは大丈夫なの?」


 「何とかするわ。アリクも、それまで2人で持つわよ。」


 「わかったよ。何とか持たせてみる。」


 それから、リーシャが加わったおかげか、ガザンは体勢が戻ってきた。もちろん、リーシャは言われた通りに、相手を水魔法で濡らしていた。


 「リーシャ、もういいわよ。アリク、ガザンの相手に魔法を、できるだけ撃ってほしい。」


 「ガザンは、その間アリクの相手を抑えて。」


 「わかったぞ。」


 この作戦が、成功すれば勝てる。あとは、アリクの魔法が当たれば、必ず勝てるはずだから。


 「おい、その魔法に当たるなよ。当たったら、感電するからな。」


 「あぁ、わかってるぞ。あれだろ、このクラスの一人が、使ってた魔法だろ。」


 「初めは、何事かと思ったが、そういことか。」


 なっ、気づかれてる。これだと、成功しないじゃない。このままだと、負けてしまう。


 「おまえ、会長が注意しろって言ってただろ。」


 「そういえば、言ってたような、言ってなかったような。」


 「おいおい、ちゃんと話を聞いておけよ。」


 「どうせ、そいつは少しばかり、力あるだけだろ。俺たちには、どうせ勝てないよ。」


 「そうかもしれないが、気を抜くなよ。」


 「へいへい。」



 それからは、一方的な戦いになっていった。作戦が失敗してからは、3人で連携され1人、また1人とSクラスの4人は、全滅させられた。

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