第31話動き
ふぅ、意外に早く終わったな。10分ぐらいで、終わったんじゃないか。黒雷まで、付与しなくても、普通の雷だけで終わってた気がする。大人げなかったかな。
まぁ、そんなことはどうでもいいか。早くフラッグを、持って帰るか。
フラッグを持って帰る途中に、相手に2回襲われたけど、さすがに弱すぎるな。これで、3年生か? 2年生のAクラスの方が、まだマシだぞ。
「あら、早く帰ってきて、失敗でもしたの?」
「お前には、これが見えないのか? もう、終わったから、帰ってきたんだよ。」
「そうなんだな。相手は、どれぐらい強かったんだ?」
やはり、脳筋だな。と言うか、戦闘狂なのか?
「そんなこと、今聞いても無駄だろ。そんなことよりも、さっさとフラッグを置かせてくれ。じゃないと、試合が終わらないだろ。」
「おう、すまんすまん。」
《3年生Dクラスのフラッグが、1年生Sクラスに移動したのを、確認しました。》
《これにより、1年生Sクラスの勝利とします。》
これで、買い物に行けるな。
「それじゃあ、俺は用事があるから、帰るわ。」
「ちょっと、明日のこと話し合わなくていいの?」
「いや、大事な用事だから、帰りたいんだけど。」
本当に、こいつらに知られると、めんどくさくなる気がする。もう、いっその振り切って行くか。
「あっ、ちょっとまだ話の続きなんだけど、どこ行くのよ。」
ここまで来れば大丈夫だろ。さてと、どんなスイーツを、買ってこればいいかな。そういえば、誕生日もろくに祝えなかったな。どうせなら、今日に誕生日を祝うか。
「スイーツは、ショートケーキでいっか。」
けど、なんでこの世界に、スイーツがあるんだ? それに、形も名前も同じだ。俺の他にもいるのか? だけど、そんな噂なんて、聞いたことがない。
2個、いや3個のほうがいいな。あいつが、いる予感がするからな。
家の前についたが、やっぱりあいつがいる。マリアが。
「メリル、帰ったぞ。」
「レクス様、おかえりなさい。あのぉ、マリア来ているんですけど。何か、されましたか。」
俺は、何もしてないと思うんだけど。なにかしたっけ?
「いや、何もしてないと、思うぞ。あと、これ誕生日の時のケーキだから。3人分あるから、マリアにも出してもいいぞ。」
「ありがとうございます。後で、お持ちしますね。」
なにか、知らせることでも、あったのか?
「マリア、なんでここにいるんだ? なにか、用事でもあったのか?」
「おぉ、レクスか。遅かったじゃないか。」
「途中で、買い物をしてたからな。それで、今日は何の用だ?」
「用か、用はななんだと思う? 自分の胸に、手を当てて聞いて見るがよい。」
俺が、最近なにかやったか? 何かやった覚えなんてないぞ。
「スマンが、何も分からん。」
「そうかそうか、なんでも覚えておる、お主がわからんと。呆れてものが言えん。」
なんでも覚えているが、思い出せるかどうかは、別のことだぞ。
「お主昨日、家に帰った後、何をしとったんじゃ? 言ってみよ。」
「昨日か。昨日は、帰った後………あっ、あれのことか。襲撃者の組織の件か。」
「それじゃよ。今、王城では、その事で慌ただしくなっておる。なんたって、十何人と殺されておるからな。」
「それって、結構やばいか?」
「そうだぞ。ちゃんと話しをしないで、やってしまったからの。やるなら、ちゃんと後始末を、しておくとよいぞ。もう、陛下に話しておいたから、報告はしなくていいぞ。」
「マリア、ありがとう。お礼に、ケーキ食べてもいいぞ。」
後処理ということは、いろいろと証拠を消さないと、いけないのか。
「ほんとに、食べてよいのか。もう、返せなんて、言われても、返さないからの。」
「そんなことは、言わないよ。ケーキだって、3つ買ってきてあるしな。」
「そうかそうか、それえなら、よいのじゃ。」
「それで、もう用はないのか?」
「まだあるぞ。ルダンの奴らが、動きだしておるぞ。ルダンとその傘下の貴族たちが、兵士たちを、極秘裏に集めておったぞ。こそこそと、やっていたせいで、気づくのに遅れたのじゃよ。」
ついに、動き出したのか。兵士を、集めて何をする気なんだ。
「そうか。目的は、なんだかわかっているのか?」
「はっきりとした、目的はわかっておらん。だが、この時期に集めたということは、ある程度予想は、つくぞ。」
「この時期ってことは、約2ヶ月後にある、学園対抗戦か? それなら、この国が出られないようにする、妨害か?」
「違うんじゃないかの。それなら、もっとあとでも、兵士を集めるのはよい。」
学園対抗戦以外で、なにかあったか?
「パーティーじゃよ、パーティー。知らんのか? 学園対抗戦の、代表選手を集めた、パーティーが、王城であるんじゃよ。なんで、お主は知らんのだ。」
「授業になんて、出ていないから、そんなの知るわけないだろ。」
「な、お主授業に出ておらんのか。なら、単位はどうしておる。」
「単位なら、免除のテストを受けて、合格したから、大丈夫だ。」
「はぁ、なんで妾が、学園に入れと言ったのか、わかっておるのか?」
「そんなの、学園にある本が目当てじゃないのか。あそこにある本は、王城にないものもあるからな。」
「はぁ、(全然違うんのじゃ)もう良いわ。それで、目的じゃが、パーティーを襲撃するんじゃよ、多分。」
「パーティーなんて、襲撃してなにかあるのか?」
襲撃したところで、意味なんて無いだろ。されたとしても、王家の信用が下がるだけだろ。
「そこがわからんのじゃ。襲撃したところで、意味なんてほとんどないからの。」
「そうか、なら引き続き、よろしく頼むな。」
「わかっておるわ。」
やっと、動き出すのか。長かったな、この10年。やっと、目的を達成できる。今度は、全てを失敗に終わらせて、罪を償わせてやる。
だから、俺もそろそろ、いろんな準備が、必要になってくるな。
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