第25話クラス対抗戦4


 クラス対抗戦まで、残り1週間となった。今、Sクラスでクラス対抗戦に出るのは、俺とセルシア、リーシャ、アリク最後にガザンだ。アリクは、三席で襲われる道を通らなかったそうだ。ガザンは、襲ってきた相手をそのまま、返り討ちにしたそうだ。襲撃者は、ある程度強かったと思うけど。


 俺は今、陛下たちとこれからのことを話している。前回襲われてから、毎日毎日襲撃されている。いつもいつも、襲撃者が倒されているのに、よく懲りないと思う。さすがに、毎日襲撃されると、家に帰るのが遅くなって、毎日メリルに怒られる。襲撃されている方なのに、怒られているのはいつも俺だ。


 俺は、いつも生きたまま捕まえるために、手加減してるのに、襲撃され続けてメリルに怒られ続けて、そろそろ学習して欲しい。よくそんなことに、金をかけるな。金をどぶに捨てるようなものだ。俺だったら、2回目ぐらいにはやめている。


 陛下今、襲撃者のことに関して聞いている。


 「陛下、さすがに襲撃されすぎてると、思うんですけど。」


 「レクス、毎日襲撃されているのか? ぷくく、そんなにナレンとかいうやつに、好かれておるのかの?」


 こいつ、そんなに笑いやがって、人の不幸がそんなにおもしろいか? こいついつか、後ろから刺されるぞ。あっ、けどこいつ九聖剣だったから、刺される前に刺す方がやられそうだな。


 「どうするかね。さすがに、証拠がなくては捕まえることができないな。」


 「そうですよね。襲撃者の方はどうなっていますか? セルロス宰相。」


 「そうですな。襲撃者も全員自殺してますから、証言もとれてないですから。」


 「そうなんですか。どうしましょうか? もう、めんどくさいんですけど。さすがに、殺すのは街の中だから、遠慮しているんですけど。」


 「そうしてくれると、ありがたいな。」


 「なら、どうすればいいんですか? さすがに、もう襲撃は嫌なんですけど。」


 「そこは、諦めるしかないな。」


 そろそろ、襲撃するのやめてくれないかな? そろそろ、本気でつぶしたくなってきた。この1週間学園に行くの、やめた方がいいのかね。けど、やめたらやめたで何だか負けた気分に、なるしな。はぁ、クラス対抗戦が、始まるまで我慢するしかないのかな。





 それからも、クラス対抗戦が始まるまで、ずっと襲撃され続けた。本当に、さっさと学習して、襲撃するのをやめて欲しい。執念深すぎて、本当にキモ過ぎる。なんで、学習しないのか不思議に思う。


 最近は、クラス対抗戦に出る生徒を鍛えている。俺がいなくてもいいぐらいの強さになってもらうために。


 もちろん、厳しくしている。だから、今では上級生に1対1でも、余裕に勝てるようになってきている。けど、それぐらいの強さだと、全然足りない。上級生、2,3人に囲まれたら、勝てないし逃げられもしないからだ。ガザンに関しては、襲撃者を1人で撃退するだけあって、訓練をする前から、上級生2人分ぐらいの強さがあった。


 なんでも、ガザンの両親は、高ランクの冒険者らしい。小さい頃から鍛えられていたから、ここまで強かったのだ。


 セルシアとリーシャは、魔法を重点的に訓練している。魔力を使い切るまで使わせて、無くなったら休憩をさせている。昔は、初級魔法しか使えなかったが、セルシアは、火魔法の中級魔法を使えるように、リーシャは、水魔法の中級魔法を使えるようになった。


 出来れば、多重発動もできて欲しいが、簡単には、上手くいかないようだ。


 アリクは、まず短剣術を使えるようにさせている。アリクは、力がないので、短剣を使った速さ重視の戦いをさせている。


 もちろん、アリクは雷魔法を使えるので、身体強化と併用して、雷魔法を身体に付与させる訓練をしている。今では、20秒間だけ、身体強化と雷魔法の付与を同時にできるようになっている。


 ガザンは、正直何もやることが無い。脳筋なのか、あまり教えるより、模擬戦をして身体の方に教え込んでいる。


 最初は、バテていたが、慣れてきたのか、バテることがほとんど無くなってきた。けど、マリアにされたことを思い出して、慣れる前に段々とキツくして、慣れてきたことを、悟らせないようにした。


 このまま行けば、30分くらいは、連戦しても大丈夫だと思う。さすがに、生徒会メンバーと戦ったら、負けるだろうけどな。


 そういえば、学園長に聞かなきゃいけないことがあるんだった。




 「学園長、入ってもいいですか?」


 「いいぞ。………それで、今日はなんのようだ。」


 「あのですね、クラス対抗戦で上級魔法などを、使用しても大丈夫なんですか?」


 「魔法の種類によるの。生徒達が、即死する魔法は、禁止だ。例えば、火魔法の上級魔法インフェルノや、雷魔法の上級魔法雷鳴などは禁止じゃの。」


 「そうですか。なら、水魔法の上級は使ってもいいんですね。」


 「あぁ、あれなら構わんよ。」


 「そうですか。なら、良かったです。」


 「あの魔法は、クラス対抗戦では、真価を発揮しないと思うんだがの?」


 「それは、お楽しみで。ありがとうございました。」


 「失礼します。」



 水魔法の上級が、使えるなら、大将戦でも余裕になるな。

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