第24話クラス対抗戦3

 はぁ、この後はSクラスの生徒たちと、話さなければいけないのか。正直言って、話したくない。嫌われているだろうからな。


 「ここにいる。Sクラスの生徒たちに聞きたい。君たちは、クラス対抗戦に出て、僕たちに手を貸してくれるかな?」


 「はっ、貸すわけないだろ。誰のせいで、けがをしたと思ってるんだよ。リーシャがさっさとナレンと婚約すればよかっただろ。今すぐにでも、婚約でもして来い。」


 「それは、言いすぎじゃない! リーシャが嫌だからしょうがないじゃない。それに、リーシャはもうバリステル家と婚約してるのよ。」


 「だけど、生きてるかわっかんないんだろ。だったら、ナレンでもいいじゃないか。」


 「ちょっと君たち、黙ってれ。うるさいから。そもそも、おれは手を貸してくれるか? と、聞いただけで、婚約とかどうとかは聞いていない。それに、婚約をしてるのに力ずくで、婚約破棄させるのは、どうかと思うけどね。」


 「なんだと! お前はさっさと、けがを治せ。」


 「いやだけど。」


 「はぁ? おまえさっき、けがしたやつを、治してすとか言ってたじゃねぇか。あれは、うそだったのかよ。」


 「治すとは言ったが、だれを治すなんて言ってないからな。」


 「はぁ?」


 「だって、クラス対抗戦なんて出ないんでしょ。なら、治す必要なんてないじゃないですか。だから、頑張って自分でなおしてね。というより、俺一人だけで勝てるからな。出たくないなら、出なくていいから。あっ、出たくなったら、いつでもいいに来ていいからね。」


 そういって、レクスは教室を出て行った。取り残されたせいとたちは啞然とした。



 さてと、クラス対抗戦をどう乗り切るか? フラッグ戦は、簡単に戦えるが、大将戦の方は戦いにくい。フラッグ戦は、開幕直後に突っ切って、フラッグを取りに行けばいいからな。だけど、大将戦は逃げられたら面倒だ。1人1人倒しに行っては、時間がかかってしまう。もし、3時間以上かかってしまったら、負けてしまう。そうなっては、いけないから人数が欲しかったのだが、まぁ、5人くらいいればいいかな。


 まぁ、そんなことは帰りながら、考えるとするか。はぁ、やっぱり襲撃されるのか。このまま、帰るとメリルに被害が行くかもしれないから、ここでやるしかないか。


 そう思って、レクスは人通りの少ない、裏路地に入っていた。しばらくすると、黒ずくめの奴らが、5人レクスを囲っていた。


 「はぁ、お前らってナレンの奴に雇われた人?」


 「そんなことは知らん。俺らは、ただお前を襲うだけだからな。」


 「あっそ。」


 そう言うと、黒ずくめの奴らは、短剣を取り出して構えた。短剣には、毒が塗ってあり、1度でもかすったりしたら、大変だ。


 レクスの方は、何も構えない。


 痺れを切らした1人が、レクスに突っ込んで行った。もちろん、相手はプロなので、直線的な攻撃はして来なかった。


 レクスは、すべての攻撃をギリギリで、かわしていた。


 相手が一旦、レクスから、距離を取ろうとすると、レクスは剣を抜き、追撃した。


 初めは、さばききれたが時間が経つにつれて、相手は傷が増えていった。そんな時に、両方から他の奴から、攻撃が、 飛んできた。それを、レクスはバックステップでかわす。


 「ちょっと面倒だが、やるか。」


 そう言うと、レクスは自分の剣に、黒雷を付与した。そして、また相手に攻撃をした。もちろん、相手は剣で攻撃を受けたが、レクスの黒雷が相手の剣をつたい感電させた。


 感電させたが、殺してはいなかった。依頼主を吐かせるために。


 「おい、あいつの剣を剣で受けるな!」


 そう言うと、魔法を放って来た。だが、レクスにとって、魔法は十八番だから、ひとつひとつの魔法に、反射魔法をして相手に魔法を返す。


 その瞬間に、レクスは身体にも、雷を付与して高速で動き、一瞬で2人を無力化した。


 さすがに、分が悪いと思ったのか、仲間を置いて逃げようとした。もちろん、レクスはそんなことを許すはずがない。


 即座に、逃げている2人に対して、1人にはアイスウォールで囲い、もう1人には、自ら追撃した。


 さすがに、相手もレクスの剣を避け続けているが、長くは持たなかった。レクスの剣が、相手に触れた瞬間、感電して、攻撃を受けた周りは動かせなくなり、やがて立って居られなくなった所を、峰打ちされて、意識を落とした。


 一方、アイスウォールで囲われた方は、少しづつ身体が凍っていき最終的には、動けなくなった。


 「ふぅ、やっと終わったか。あまり力を使う気は無かったけど、黒雷は使ってしまったな。今から、こいつらを王城に持って行って、尋問してもらうか。」


 まず、レクスに勝てる人間なんて、この国に2人しかいない。だから、襲撃するならもっと、人数を揃えなければいけない。


 レクスは、5人を縛り上げて、王城に歩いていった。そして、陛下に尋問の件とナレンの件を、報告して帰って行った。


 帰るのが遅れたが、メリルが出迎えてくれた。


 「レクス様、今日は遅かったですね。なにかあったんですか?」


 「あぁ、いまさっき襲撃されてな、拘束して王城に連れて行ってたんだよ。」


 「大丈夫ですか? 怪我は、ないと思いますが、確認するので、服を脱いでください。」


 「いや、大丈夫だ。怪我なんてしてない。」


 「確認ですので脱いでください。」


 「だから、大丈「脱いでください。」……夫。」


 「脱いでください。は、や、く。」


 「…………………………。」


 「さっさと脱いでください。さもないと、ご飯抜きですよ。」


 「………。わかったよ。」


 レクスは、メリルにご飯や、家事をやってもらっているので、メリルに頭が上がらないのだ。


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