第23話クラス対抗戦2

 Sクラスのドアから入ってきたのは、ナレンだ。ナレンは、Sクラス全体を見渡し、リーシャがいるレクスの席に歩いてきた。ナレンは、レクスとリーシャが話しているのにもかかわらず、レクスとリーシャの間に入り込み、リーシャに話しかけた。


 「おい、リーシャ。婚約する決心はついたか? まぁ、どうせ勝負したところで、結果は変わらんだろうけどな!」


 「申し訳ございません。まだ決まっているわけではないので。」


 「だがなぁ、Sクラスって出られる生徒って、たった数人しかいないんだろ。かわいそうだよな。勝負をすることが決まってから、怪我人が次々に出てくるんだからな。まぁ、これも運命ってやつだな。」


 こいつ、頭大丈夫か? キモ過ぎる。何が、運命だ。お前が仕組んだことだろ。忘れたのか? 記憶力

も全くないのか? それでよく、学園に合格したな。やっぱし、こいつDクラスなのかな?


 「こいつ、頭大丈夫か? キモ過ぎる。何が、運命だ。お前が仕組んだことだろ。忘れたのか? 記憶力

も全くないのか? それでよく、学園に合格したな。やっぱし、こいつDクラスなのかな?」


 「はぁ? なんだお前。」


 おっと、本音が漏れてしまったかな。まぁ、しょうがないかな。だって、とてつもなくキモかったし。しょうがないよな。



 「おっと、本音が漏れてしまったかな。まぁ、しょうがないかな。だって、とてつもなくキモかったし。しょうがないよな。」


 「お前、絶対に馬鹿にしてるだろ。」


 「あはは、そんなことしてませよ。事実をいったまでですよ。」


 「ふざけてるだろ! 俺は、ルダン侯爵家の長男だぞ。」


 「いや、だからなに? 長男だからって、何か特別なの?」


 「長男は、いずれ当主になるんだ。だから、おれは偉いんだ!」


 「お前、馬鹿だろ。当主は、特別だが長男は特別じゃないだろ。」


 「うるさい! 不敬罪だ不敬罪。」


 「不敬罪が適応されるのは、貴族の当主と、王族だけだし。それに、学園内は権力の行使はできないんだよ。王族ですら権力を行使できないのに、たかだかお前ごときが権力を行使できるわけないだろ。」


 「なんだと! ふざけるな!」


 「もう授業が始まるから、早くDクラスに帰ったらどうだ?」


 「うるさい! 俺は、Aクラスだ。」


 「そんなこと、聞いてないから。早く自分のクラスに帰ったらどうだ?」


 「くっ、覚えておけよ! 帰り道は気を付けておけよ。」


 こいつ馬鹿なの? もう、帰り道襲う気満々だな。それに、襲う相手に忠告なんて、大丈夫か?


 そう言って、ナレンは怒りながら出ていった。そして、教師が入ってきた。


 「おっ、レクスじゃないか。初めて、あったな。俺の名前は、バーザルだ。よろしくな。」


 「はい。」


 「全員いったん席に座れ。これから、クラス対抗戦について説明するぞ。まず、このクラス対抗戦だが、全クラス参加のトーナメント戦だ。」


 トーナメント戦か。ならシードは、ひとつか。


 「ルールだが、大将戦とフラッグ戦がある。大将戦は、両クラスの中に1人大将を決めて、先に倒した方の勝利だ。次に、フラッグ戦は相手陣地にあるフラッグを、自分の陣地にもってこれば、その瞬間に旗を持ってきたクラスの勝利だ。」


 なるほどな。大将戦は、的が動いたり、攻撃して来たりする。フラッグ戦は、動かない的の取り合いか。どちらも、強い奴を攻撃か、守備にまわすかで作戦が変わってくるな。


 「ひと試合、2時間で、それで決着がつかなかったら、1時間延長する。大抵は、3時間で終わるが、それでも終わらなかったら、残った人数が多い方の勝利となる。」


 大将戦の場合、俺たちSクラスは大将に、逃げられる事になったら、ちょっと厄介だな。俺が、大将をやるから、大将はやられないが。多分、他の生徒達は、各個撃破されるだろうな。


 「対抗戦をする所は、学園が所有している、近くの森と、草原でやる。もちろん、魔物なんて居ない。それに、そこは結界が張ってあるから、結界内で怪我をしても、体力が1割をきったら結界外に出されるだけだから、安心しろよ。」


 なんでこんな所に、高価な魔道具があるんだ? この魔道具は、教国が持っていたはずだが?


 「先生、その魔道具がなんでここにあるんですか? 元々、教国が持っていたと思うんですけど。」


 「あぁ、それなら借りてるんだよ。もちろん教国の者が、持ってきて設置するからな。」


 なるほど、その機会に情報収集を行うんだろうな。それを、わかっていても貸してもらうということは、それだけ大事な事だろうな。


 「だが、俺のクラスは怪我人が、多いから大将戦じゃないと、厳しいだろうな。」


 「それなら、大丈夫ですよ。」


 「なんでだ? ポーションを使うにも、教会に行くにも、沢山の金がかかるぞ。」


 「そんな面倒なことなんてしませんよ。僕が、光魔法を使えるんで、タダですよ。」


 「そ、そうか。やっとわかったよ。学園長が、お前がとてつもない規格外だって、言ってたことが。お前いくつ適正属性持ってるんだよ? 少なくも、今の合わせて、無、火、雷、光があるってことだろ。」


 火魔法は、決闘の時に使ったし。雷魔法は、試験の時に使ったからバレてるか。


 「先生、それは企業秘密ですよ。」


 「そうか。まぁ、レクスが怪我を治すから、全員出られるってことだろ。」


 「そうですね。」


 「なら、優勝目指して頑張れよ。」


 そう言って、バーザルは教室を出ていった。


 さてと、これからクラスの治療と作戦会議をしないとしけないのか。本当に、面倒くさいな。仕方ないから、ちゃんとやるけど。


 絶対にクラスの奴らには、嫌われてるだろうな。だって、決闘でボロボロになるまで、戦わせたんだからな。




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