第17話授業(する方)1
今日からは、普通の授業が始まる。俺には関係ないけど。昨日受けたテストも、満点だったらしい。なので今日から、研究に集中できる。来週の、メリルの誕生日に間に合わなくてはいけないのに、行き詰まってしまった。
メリルは、あれからリハビリをやっているので、今では、普通に生活できている。けど、やはり昔みたいに戦ったり出来なかった。
メリルが受けた、デスフロッグの毒を5年前に調べてみた。わかったことは、その毒は神経を停止させる毒だった事、完全に治すにはエリクサーを使わなければいけない事、自然に治るのには何十年下手したら百年以上かかる事。
もちろん、エリクサーは貴重なので購入するには、10億以上のお金が必要だ。お金をためて買おうとしたが、メリルに止められた。自分のために、そんな大金を使わないで欲しいと。俺は、渋々了承した。
なので、方向性を変えて、自然に治るの速度を早くすることにした。だから、今やっている研究は、魔素を使って常時治癒魔法が発動する魔法陣を開発いている。
基本は、できている。だが、魔素を集める手段ができていない。先生達に、1度聞いてみるか。
まずは、学園長だ。
「学園長、聞きたいことがあるんですけどいいですか?」
「なんだ、君が聞きたいことがあるなんて。それで、何を聞きたいんだい?」
「はい、魔素を効率的に集める手段を知っていませんか?」
「魔素をかの?そうだの〜、風魔法か、魔素の多いところ、例えば魔境の森に行くとかかの。」
「そうですか。他に答えれそうな先生って、いますか?」
「そうだの〜、リーチェリア先生かの。」
「その先生って今どこにいますか? 出来れば早く聞きたいので。」
「それなら、1年生のSクラスで授業をやっていとことじゃよ。」
「そうですか。なら行ってみます。そういえば、学園の地図ってあったりしますか? あるのなら欲しいんですけど。」
「地図ならこれじゃよ。」
「ありがとうございました。」
「頑張るのじゃよ〜」
そういえば、1回もクラスに行ったことがなかったな。地図を貰ってなかったら、また迷ってたかもしれないな。
さてと、ここがSクラスか。
「なので、魔法の方が応用「失礼します。リーチェリア先生っていますか?」………はい? 私がそうですけど。なんですか?」
「先生に聞きたいことがあったので来ました。」
「えっ……ごめんね。今、授業中だから、終わってからでいいかな?」
「はい、構いません。僕が、押し掛けたんですから。自分の席で待ってますので。」
そう言ったら、レクスは自分の席であろう、1番後ろの席に、移動したとき、
「ちょっとあんた。このクラスたったの?」
と、セルニアが聞いてきた。
「このクラスだけどなにか? 言ってなかったっけ?」
「言ってないわよ。」
「そ。」
そう言ってレクスは、本を読み始めた。もちろん、教科書な訳が無い。そもそも、レクスは授業を受ける必要なんてないのだから。そんなことを知らないクラスの皆は驚いた。堂々と、授業を受けない宣言をしたのだから。それを、セルシアが許すはずがない。
「ちょっとあんた。ちゃんと授業を受けなさいよ!
ふざけてるの?」
「はぁ、授業なんて受ける意味が無いから受けないんだよ。わかんないの?」
「それは、先生に失礼でしょ。」
「事実なんだから、しょうがないでしょ。そうですよね、先生?」
「そうだね、私の授業なんて受ける必要は、レクス君にはないものね。寧ろお金を払ってもいいから、レクス君の授業を聞いてみたいかなー。」
「だってさ。」
「うぐっ。な、なら授業やって見なさいよ。」
「いいんですか? 先生。」
「いいよ! 私も受けて見たいから座ってるね。」
「ふんっ、せいぜい恥をかかないようにする事ね。」
「はぁ、今どこやってますか?」
「今はね、魔法と魔法陣の違いと、それぞれの利点だね。」
「分かりたました。まず、魔法と魔法陣の違いは、魔法は自分を媒介に、魔法陣は魔法陣を媒介に、魔法を発動します。」
「魔法の利点ですが、魔法陣より早く発動出来ますし、応用が可能です。デメリットは、適正がないと魔法を使えないことです。」
「次に、魔法陣ですが、適正がなくても魔法が使えます。デメリットは、陣を壊されたりすれば、発動しなくなるのと、応用がきかないこと、重ねて魔法陣を展開したら、発動しないこと。」
「そんなこと、聞かなくても分かってるわよ。」
「セルシア、先生をいじめないで。」
「どういうこと? リーシャ。」
「あれ見て。」
「ごめんなさい。やんなくてもいい事やってなのね。私って教師失格かな?ぐすん」
「せ、先生そ、そのごめんなさい。」
「はぁ、先生当たり前のことを説明するのも、教師の仕事ですから、落ち込まなくてもいいですよ。」
「そうかな?それならいいんだけど。」
「続き行きますね。さて、なぜ魔法陣を重ねると発動しないんでしょうか? では、リーシャさん答えてください。」
「えぇと、魔法陣の回路が入り乱れて、 しまうからです。」
「そうですね。では、この魔法陣は発動すると思いますか?」
そう言ってレクスは、魔法陣が5つ組み合わさったものを、空中に展開した。
「早!」
誰かそんなことを言った。魔法陣の展開速度が、そこら辺の魔法使いが、魔法を使うよりも早かったのだから。
「そ、そんなの発動しないに決まってるじゃない。」
「はぁ、少しは考えてから発言したらどうだ? 先生は、どう思います?」
「何よ!」
「そうですね。発動するんじゃないかと。」
「先生、そんな訳「正解です。」……はぁ? 何言ってるのよ。」
「なら発動してみますね。」
そう言ってレクスは、魔法陣を発動させた。
「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「えっ?」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」
魔法陣からは、暖かい風が出ていた。
「発動しましたね。魔法陣が重なっているのに。なんでだと思いますか? 周りにいる人と、話し合ってください。」
周りの生徒と先生は、唖然とした。常識だったことが、今目の前で覆されたのだから。
「いないんですか? セルシアさんもわかんないんですか? 散々、知ってるって豪語していたのに。」
「わ、分かりません。」
セルシアにとっては屈辱的だった。座学だけでなく、知識でも魔法でも負けていたのを、悟ったからだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます