第15話入学1

 明日は、合格発表だ。俺は今、学園の学園長室にいる。呼び出された、理由はある程度察しがつく。




 「呼び出して悪かったね。まぁ、座りなさい。」




 「はぁ。」




 「今日、呼び出した理由は、わかるかい?」




 「えぇ、分かりますよ。僕が、座学でも実技でも高得点を出して、首席になった。だが、同じ受験生に第二王女がいて次席だった。このままでは、貴族として王族として、面目が立たない。だから、僕に首席を降りて、次席を首席として扱いたいんでしょ。」




 「なるほどのう。そこまでわかっているいるとはな。さすが、学園が始まって以来初めて、全て満点を叩き出しただけあるの。それで、返事は?」




 「別に降りても構いません。けど、タダとは言わないですよね?」




 「もちろんだ。わしらに、何をして欲しんじゃ? 」




 「まず、次席ではなく、Sクラスの最下位として扱ってください。」




 「何故次席じゃなくて最下位なのだ?」




 「最下位だと、欠席してもあまり目立たないでしょ。Sクラスの授業に、ついていけないと思われて気にも止めない。だから、最下位にしてください。」




 「そうか。わかったぞ。」




 「次に、単位免除のテストが、ありますよね?  」




 「あるぞ。それを受けるんだな。1年に1回しか、受けられないぞ。」




 「理解してます。ですので、1年生から3年生の単位免除のテストを全て受けさせてください。」




 「聞き間違えかの。今、3年分と聞こえたのだが?  」




 「えぇ、そうです。もちろん、学園には3年間在籍するつもりですので、飛び級はいりません。」




 「わ、わかった。用意しておくぞ。」




 「最後に、図書館の本全ての、閲覧権限をください。」




 「それは、難しいぞ。なんせ魔法学の免除が、ないと閲覧しては、いけないやつもあるからの。」




 「それなら、もう持っているので大丈夫ですね。これのことですよね。」




 「………………わかった。その権限も、やるぞ。だが、こちらからも、お願いがあるんじゃ。」




 「なんですか?」




 「3ヶ月後に、九ヶ国の学園が集まって競い合う学園対抗戦があんじゃ。それに、出てもらいたいのだ。」




 「用事があれば、断りますけどそれでいいなら、いいですよ。」




 「わかったぞ。では、また明日。」






 翌日、レクスは受験票を持って学園に行った。そこには、合格者とそのクラスが貼ってあった。もちろん、昨日話した通りSクラスの最下位と書いてあった。




 レクスは、そのままクラスに行くのではなく、学園長室に直行した。単位獲得のための、テストをするためだ。




 その頃、クラスでは自己紹介が始まっていた。




 「おーい、静かにして席につけ。まずは、クラスで自己紹介した後に、入学式だ。まず俺からするぞ。俺は、バーザルだ。教科は、剣術だ。次は、首席から自己紹介しろ。」




 「はい。私は第二王女のセルニア・アルセランです。気軽に、セルニアと呼んでください。これから、1年間よろしくお願いします。」




 「私は、リーシャ・ルーデンスです。えぇと、魔法学が得意です。これからよろしくお願いしましゅ。あぅぅ、、、」




 「僕は、アリク・スーヴェイです。僕は、魔法が得意で、雷魔法をよく使います。」






 その頃のレクスは、




 「学園長、算数まで、全部終わりました。」




 「そうじゃな。国語と算数をたった20分で終わらせるとはのう。」




 「さっきから、気になってたんですけど、魔法学のテスト無くないですか?」




 「魔法学なら、必要ないと言うことで、結論付けたぞ。お主の反射魔法を読んだが、正直言って革命的だぞ。だから、魔法学は免除になった。」




 「そうですか。はい、歴史終わりました。」




 「さっきより早くないかの?」




 「今は、両手でやってますから。」




 「両手か。さっきまで、片手だったのに、なんで両手にしたんじゃ?」




 「面倒くさくなってきたので、早く終わらせるためです。はい、これで終わりましたね。僕は、これから図書館に行ってきますね。」




 「入学式は、出ないのかの?」




 「はい、出る気はないですね。図書館で、本を読んでた方が有意義ですから。」




 「そうか。じゃあさっさと採点しないとな。」




 「では、失礼します。」






〜〜〜〜〜〜〜〜〜saidアイシャ〜〜〜〜〜〜〜〜〜






 私は今、入学式の準備をしている。生徒会の仕事は、雑用みたいなものが多いので疲れますね。けど、入試の日に警備をしていて、良かったと思う。あの子、確かレクス君だったかな。レクス君に興味が、沸いた。なんたって、本気で気配を消していたのに、バレてました。ちょっぴりびっくりしました。そもそも、レクス君の、気配にきずけなかったですし、四大公爵だと知っても、態度を変えるようすがなかったので、とても新鮮でした。




 「会長、さっきから何笑ってるんですか?」




 「あぁ、すいません。この前の、入試の日にあった子を思い出していまして。」




 「どんな子なんですか?」




 「私が、完全に気配を消していたことに気づかないで、話しかけて来る子でしょうか。」




 「よくわかんない子ですね。」




 「そうですね。私は、外にある用意を、持ってきますね。」




 「お願いします。」








 レクス君、Sクラスに入れてるかな? ん? なんであんな所に新入生が? 今の時間帯だと、クラスで自己紹介をしているはずですけど。




 「ちょっとキミ。なんで…ってレクス君。なんでこんなところにいるの? クラスどこ? 教えてあげよっか?」




 「アイシャ先輩お久しぶりです。今から、図書館に行こうと思うんですけ。どこにありますか? あ、一応Sクラスです。」




 「そんなことより、なんでこんなところいるんですか?」




 「いえ、学園長室で単位免除のテストを受けて合格しまして、学園長が出なくてもいいと言ったので、図書館に行こうかと。」




 「1年生の免除テスト、合格したんですか!」




 「違いますよ。3年分ですね。」




 「3年分!?……そうですか。もし、生徒会に興味あったら、生徒会室に来てみてください。そういえば、図書館ですね。案内してあげますよ。」




 「いいんですか? なら、お願いします。」




 「それなら、行きましょっか。」




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