第6話婚約者

 剣の訓練をし始めてから、約1年がたった。俺も、もうすぐで4歳になる。最近は、メリルとか騎士に1体1をやっている。と言うより最近、騎士との1体1での撃ち合いは、物足りなくなってきた。初めは、受けるだけで精一杯だった。2ヶ月ほど、たった頃にはある程度戦えるようになっていた。だが、メリルとの撃ち合いは、転ばされてばかりだ。


 「騎士よりもメイドの方が、強いのはどうかと思う。」


 と言ったら、


 「そりゃそうですよ。なんたって私、冒険者をしてて、Bランクだったんですから。」


 と言っていた。とゆう事は、騎士は、Bランクより下のCランク以降となる。それから、4ヶ月たった頃は、騎士にごく稀に勝つことができるようになった。一方、メリルとの撃ち合いは、転ぶ回数が減ったくらいだった。そんなことよりも、BランクとCランクの差が広すぎないか? と考えるほどに、メリルが強すぎる。


 最近になってようやく、メリルとちゃんと撃ち合えていると思う。撃ち合えてはいるのだが、剣がかすったことが、1回もない。そんなことをメリルに言ってみたら、


 「いやいや、そもそも4歳で、元とはいえBランクと撃ち合ってることがおかしいですからね。私、Bランクまで行ったのに、自信亡くなっちゃいますよ。」


 なんて言われた。よくよく考えて見れば、俺4歳だった。前世の記憶がある分、あまり子供らしいことをした記憶がない。そもそも4歳の子供って、何してるんだか分からないな。俺のまわりに同い年が居ないからわからん。


 「レクス様、少し撃ち合っていただけないでしょうか?」


 「あぁ、わかった。ここでいいか?」


 「はい、では、お願いします。」


 はぁぁ、またか。考えるのはあとにするか。


 「では、両者構えて………初め!」


 相手は正眼に構えてる。俺は、剣先を自分の右後ろにして、剣を腰より下に構える。この方が楽だから、この構えをとっている。


 全然仕掛けて来ないな。しょうがないか。愚直に、飛び込んでくるよりマシだな。まず、相手の正面に全力で突っ込み、振り上げからすぐに振り下ろす。


 相手はそれを剣で守ってから大振りに横なぎをしてきた。それを、レクスはできるだけだ体制を、地面スレスレまでもってきて避ける。そして騎士の首に向かって剣を刺突する。


 騎士はそれを身体を捻って躱すが、重心がズレてしまう。レクスはそれを見逃さず、剣を持ってない方を軸にして、足払いをして、体勢を崩す。そしてレクスは、回転の力を剣に加えて、相手の首を目掛けて振るう。


 「そこまで! 勝者、レクス様。」


 「レクス様ありがとうございます。」


 「別にいいけど、最初の横なぎだが、もう少し動作を小さくした方がいいと思うぞ。それで、剣を戻すのが遅れて、刺突を剣でいなせなくて、身体の重心がズレただろ。だから、もう少し動作を小さくして、素早くした方がいいと思うぞ。」


 「問題点を指摘していただきありがとうございます。では、失礼します。」


 またか。本当、最近指摘されるために、撃ち合いをしてくるやつが多すぎる。


 「お見事でございます。レクス坊ちゃま。」


 ん? あぁ、父の専属で執事のセインか。


 「あぁ、セインか、ありがとう。で、何かようか?」


 「旦那様がお呼びです。」


 「内容は聞いているか?」


 「いえ、何も。旦那様はレクス坊ちゃんを連れて来るようにとだけ言ってました。」


 「あぁ、わかった。ありがとう。」


 「いえいえ、では失礼します。」


 訓練中に、俺を呼ぶことは無かったはずだが? 何か、急ぎのようか? まぁ、行けば分かるか。





 トントン


 「父上、レクスです。入っていいでしょうか?」


 「あぁ、レクスか。入ってくれ。」


 「どうしたんですか? 父上が、訓練中に呼ぶことなんて無かったと思うんですけ。」


 「あぁ、それなんだか。大事に報せがあってな。聞いて驚くなよ。なんと、レクスに婚約者ができたんだよ! 」


 「そうですか。」


 「なんだ? 嬉しくないのか。」


 「いえ、そんなことよりも、相手は誰なんですか?」


 「そんなことって、露骨に話題を逸らしたな。相手はだな、ルーデンス伯爵家の長女だ。その子なんだが、とても可愛くて、将来は美人になるぞ。」


 「そうですか。では、失礼します。」


 「いや、待て待て。お前、ほんっとに冷徹とゆうか、淡白とゆうか。可愛くて、将来美人になる子だぞ。気にならないのか?」


 「別に気になりません。そもそも僕は、外見よりも、中身を重要視してますから。」


 「いや、それも重要だが………はぁ。俺は本当に、お前の将来が心配になったぞ。頑張れよ。」


 「まぁ、善処はしてみます。」


 「善処って、あーもう行っていいぞ。」


 「では、失礼します。」


 「本当にあいつの将来が心配になってきた。」






 婚約者か。相手は、伯爵家だから政略結婚と言った所か。相手は、性格がねじ曲がった奴じゃなければないいんだがな。まぁ、そんなことはおいおい考えるとして、訓練の続きをしに行くか。あぁあ、早く5歳になりたいな。そしたら魔法の練習ができるようになるのになぁー。

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