第3話saidメリル
私はバリステル公爵家のメイドをしています。バリステル家の皆さん、と言っても二人いえ最近レクスリア様が生まれたので三人ですね。
お二人の両親は10年前の流行り病でお亡くなりになったそうです。私は30歳の時にバリステル家のメイドになって、もう3年になりますが、レクス様は長男なんです。
私は、レクス様が生まれた時はとても嬉しくて飛び跳ねたほどです。そんな私より凄かったのが、レクス様のお父様クロム様です。いつもは、感情を表に出さないのに、レクス様が生まれた時は号泣してました! 本当にバリステル家に拾われて良かったですね。
私の種族はハーフエルフです。ハーフは色々な人達から疎まれています。エルフのハーフは、エルフよりも魔法が弱いですし、獣人のハーフは獣人よりも身体能力が低いので、蔑まれたりします。
実際、私もそうでした。それに、働くところが極端に少ないです。なので大抵の人は、冒険者になったり、小さな村で農業か狩人をやっている人が多いです。私は冒険者をしてました。一応私は、Bランクの冒険者でした。冒険をしていく中で、帝国よりも王国の方が暮らしやすいと、聞いたので、王国に拠点をおくことにしました。
まぁそんな中で、ドジってしまって、怪我をしました。そんなところに、運良く護衛を連れた馬車が通りました。その馬車に乗っていたのが、バリステル家のクロム様とテナン様でした。クロム様とテナン様は、私かハーフエルフだと知っても、助けてくださいました。それどころかテナン様は私に
「ハーフじゃ生きにくいし、私達の所でメイドをやったらどおぉ? うちの護衛やメイド達はそう言うハーフだからぁーてゆうのないし、もちろん給料も出すわよ。ね、クロム」
「別に構わないが、本人の了承を得てからだぞ。」
「もちろん、そんなの分かってるわよ。で、どう? 私達の所でメイドをやらない? 」
って言ってきたんですよ。初対面の私に。嬉しいお誘いでしたが、メイドとしての知識や動作なんて分からないので、断わろうとしたのですが
「そんなこと後から覚えればいいのよ、後から。」
なんて言われてしまっては、はい! て言ってしまではないですか。けど、今ではお誘いを断らなくて良かったと思います。なんでかって? 今ではレクス様を専属でお世話できるのですから。
レクス様は、生まれてからほとんど泣きませんでした。それどころか、笑ったり驚いたりしません。なんかずーっと無表情なんです。あっ、けど話しかけたら返事をしてくれるんです。それがまた可愛くて可愛くて。
レクス様が生まれて半年がたった頃、ハイハイをしました! どころか行こうとするんです。初めの頃は部屋を抜けす前に捕まえてたんですけど、なんだか最近見つけるのがだんだん遅くなって来ている気がします。
1年たった頃には、毎日毎日部屋から抜けられるんです。これでも私、元Bランク冒険者なのに、、、自信なくしますよ。まぁ、見つけるのは簡単ですけどね。いつもいつも旦那さまの書斎の前に座ってますから。
「レクス様ー」
「あっ、やっと見つけた。もう、勝手に居なくならないでください。もしレクス様になにかあったら、私ただじゃ済まないんですよ。」
「あう、あううああい」
「何言ってるか分からないけど、やっぱりレクス様は可愛いですねー。ほら、っしょとお部屋に戻りましょうね。」
「レクス様、もうすぐ夜なので食卓で、ご飯を食べましょうねー。」
「あい」
「さっ、行きましょうねー。(はぁ〜いつも喋りかけたら返事をしてくれるので可愛いですね。)」
翌日、レクス様の部屋から、誰呼んでますね。
「め〜り〜ゆ〜ど〜こ〜」
誰でしょうか? こんな声のメイドなんていなかった気がしますが?
「め〜り〜ゆ〜、め〜り〜「はーい、誰です…か」ゆ〜」
レクス様が、私の名前を呼んだ!
「めりゆほんにょんで」
て言うか喋った?
(コテン)
はぅ、可愛いぃぃ………はっ、早く呼ばないと。
「奥さまー! 旦那さまー!」
「奥さま! 旦那さま! レクス様が、はぁはぁ」
「そんなに急いでレクスちゃんがどうしたの?」
「どしたんだ? メリル」
「レクス様が、、レクス様が喋りました!」
「「本当に(か)!!」」
「はい! 私の名前を呼んだんですよ!」
「こうしては居られんレクスの所に行くぞ!」
「そうね!」
「「「レクス(ちゃん)(様)!!! 」」」
バン
「「「え?」」」
「あれ? レクス様ー(ツンツン)……寝ちゃってますね。どうしましょうか?」
「そうね。起こすのも悪いし明日にしましょ。」
「………そうだな。あとは頼んだぞ、メリル。」
「はい! お任せ下さい」
えへへっ、レクス様に初めて呼んでもらっちゃいました。はぁ〜寝顔も可愛いですね〜。早く明日にならないかな〜。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます