20話:『スーパーコンピュータと魔女』



スパ子:「ようこそ。いらっしゃいました。

    「私の名は『スパ子』。スーパーコンピュータです」





厳重な扉の向こうには、半透明な子供の女の子がいた。

スパ子と名乗っている。



ピーチ:「貴女は何者なの?」

スパ子:「スーパーコンピュータです」

ピーチ:「スーパーコンピュータって?」

スパ子:「コンピュータの凄いものと考えて頂いて良いと思います。

ピーチ:「コンピュータって?」

スパ子:「、、、。何でも知っている便利なものとお考えください」



ピーチ:「貴女は人間なの?」

スパ子:「私はホログラム、、、。コンピュータから投射ているただの映像です。





次元の違う世界に一同は混乱していた。



スパ子:「P・ウィッチ様。貴方の父と母から、この世界の歴史を教えて欲しいと言われています」

   :「なんなりと、お申し付けください」



ペコリと頭を下げた。



ピーチ:「うちは何者なの?」

スパ子:「ホムンクルス、、、人口生命体です。この世界で唯一の」

ピーチ:「それは聞いた。うちが聞きたいのはそういうことじゃないの!」

スパ子:「では、魔法使いについてから、お話しましょう」





スパ子:「遥か昔、長年の研究で溝口博士は、2人の魔法使いをついに完成しました」

   :「名を『アダム』と『イブ』と言います」

ピーチ:「うちの親の名前、、、」

スパ子:「この魔法使いは生命体であり、人間の遺伝子を改良して作られました」

   :「種族的には人間。違いは魔法が使えるということだけ」

   :「作られた目的は興業の為。多額の研究費は、興業関連の投資で賄われております」

   :「キャッチフレーズは『始まりの魔女を見てみないか?』。世界は大きく賑わいました」

   :「2人は男と女ですが、生殖機能は取り除かれております」

   :「また、この2人は30歳になると、老化現象が留まるように作られています」

   :「それ以上歳を取ると、見た目が悪くなり、収益が低下すると考えた為です」

   :「ほとんど不老に近く作られました。いらなくなったら自爆装置を押せばよいと溝口博士は思いました」

   :「2人は世界各地で、サーカスのようなショーをやらされました」

   :「会場は、核でも平気なように作られ、ガラス越しに観客は見ます」

   :「移動の際には、全身麻酔を打たれます。反乱を恐れた為です」

   :「2人は苦渋の日々を過ごしました」





スパ子:「そんな日々を何年も何年も過ごしました」

   :「それは突然起こりました」

   :「ショーの会場で、大規模な地震が発生したのです」

   :「2人は、その影響でセキュリティが壊れ、頑丈な入場口のロックが空いているのに気づきます」

   :「逃げる途中、溝口博士が瓦礫に押しつぶされていました」

   :「助けを求めている博士に、2人は何が起きたのか聞きました」

   :「ここら一体がパニックになっていると知った2人は、チャンスだと思いました」

   :「溝口博士を燃やしてから、人間に復讐を始めます」





スパ子:「時間はかかりましたが、人口の99%の人間を殺すのに成功しています」

   :「2人は絶滅させたわけではないことを知っていましたが、各地に散らばった生き残りを探すのは、面倒なので止めました」

   :「この頃になると、むしろ、もう人間と関わりたくないと思うようになったそうです」

   :「2人は西の森で静かに暮らしました」

   :「ある日、子供がほしいと思うようになり、研究を始めます」

   :「その2人の研究成果が、P・ウィッチ様です」



ピーチ:「そんな、、、」



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