15話:『3賢者』


神殿に入ると慌ただしそうに、

神官のゴブリン達が行ったり来たりしている。





緑子:「こちらです」





奥の間に入ると、

地位の高さを証明するような服装で、

3人の老人ゴブリンが座っていた。





賢者A:「ようこそゴブリン国へ」

賢者B:「お待ちしておりました」

賢者C:「両刀の狂戦士様、魔女様」



物腰は柔らかかった。



スー:「正式にゴブリンになりに来ました」

ピーチ:「私は魔女のままで良いけど、味方になることは保証するわ」



賢者A:「ありがたい」

賢者B:「では、早速ドラゴン様の元に向かわれると良い」

賢者C:「終わり次第布告致します」





挨拶の後、ゴブリンが今どういう立場なのか話があった。

王国の先代の時代、勢力は6:4程度でゴブリン勢が僅かに劣っている程度だった。

国王が死去した後、現国王がゴブリン討伐に力を入れた。



現在勢力は、7:3であり、8:2に変わるのも時間の問題である。

ゴブリンの間では『勇者』は忌まわしい存在であった。死神と同義語で使われていた。

長い間、民衆は恐怖した。そこに、突然『両刀の狂戦士と魔女』が現れた。



『勇者』に相反するものとして、

ゴブリン達は『両刀の狂戦士と魔女』を受け入れた。



それは希望だった。

「勇者が町を襲っても、両刀の狂戦士と魔女がやってくる」と、

沢山の親ゴブリンは子供達に、何度何度も言い聞かせた。



それが、実現した町もしなかった町もあった。

現実はそうだが、そういう言葉を発せられることが、

どれだけの民衆を救ったのかは計り知れない。



緑子を派遣したが、いつも行き違いになってしまった。

ようやく、会えた。

ドラゴン様も大変喜ばしいと思うはずです。

そう話を締めくくった。





スー:「俺はそんなんじゃ、、、」



言いかけた言葉を胸にしまった。



スーは自分をただの復讐者に過ぎないと思っていた。

それは今も変わらない。

彼らの話は大袈裟だと思った。



自分は、たいそれた者ではない自覚があった。

しかし、水を差すのは如何なものかと思い、

多くは語らなかった。




















ピーチ:「ドラゴンに会いにしゅっぱーつ!!」


一行は山頂を目指した。


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