12話:『緑子』



スー:「何者だ貴様」





緑子:「私は『緑子』と呼ばれる存在」

  :「おっと仮面を外していなかったね。失礼した」


緑子は仮面を外した。


スー:「人間!?」



仮面の下は、真っ白な人間であった。目は赤い。


緑子:「ゴブリンだよ。もっとも見た目は人間に見えるかもしれないけどね」



長い白髪、真っ白な身体。赤い瞳。高い背。イケメン。

神聖な雰囲気が漂っていた。


周囲を見渡すと、ゴブリン達が膝をついている。

偉い人なのだろうか?



緑子:「噂はかねがねお聞きしておりました。私たちの救世主よ」

膝をつく。

敵ではないみたいだ。



スー:「何が目的だ?」

緑子:「私達の国へ来てほしい」

スー:「何故?」

緑子:「せめてもおもてなしをさせてほしい。あなた達は我々の希望なのです」

  :「そして、ゴブリン国の3賢者に合って頂きたい」

スー:「希望?」

緑子:「数多の戦場を救って頂いたヒーローですから」

スー:「断ると言ったら?」

ピーチ:「え?もったいないよ」

緑子:「どうも致しません。ですが、着て頂いたら便宜を図らせてもらいます」

  :「例えば、その包帯を付けなくて良くなるようにだとか」

スー:「これは火傷の痕を覆っているだけだ」

緑子:「もう隠さなくても良いでしょう。本当は人間だということを」

  :「両刀の狂戦士は実は人間。という噂も徐々に広がっています」

  :「人間だからといって敵対するわけでもありませんし」

  :「ほら、私の見た目だって人間みたいでしょう?」

  :「ただ、噂が大きくなるにつれて、懐疑的な者が表れるでしょう」

  :「その前に3賢者とお会いになり、正式に味方と公表するのです」

  :「その方が貴方もやりやすいでしょう?」


スー:「確かに、、、」





『緑子』ゴブリン達にとって神聖な存在。神官のようなものである。

緑子は真っ白な体付きと赤色の目、白い髪をしている。

何故白いのに緑子と呼ばれているのかについては、理由がある。

ゴブリンの間で生まれた存在だからである。



確かに緑色の存在のゴブリンから生まれた。そういう意味合い込めて『緑子』。

ごくたまに現れるのだ。





スーは迷ったあげく、ツイていくことにした。

ピーチは無理矢理でも連れていくつもりであったのだが、、、。











出発のとき、

スーは顔に巻き付けていた包帯を捨てた。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る