それでも、西内くんと恋がしたい/滝沢美空

プロローグ



『心配しないでいい。俺が、とっておきのほうをかけてあげるから』


 夕暮れ時、ふたりきりの教室。

 この空間だけが世界から切りはなされたような気がした。


 現実とはちがう場所、例えば少女マンガの世界に入ってしまったみたいだ。

 こんなに心がときめくのは生まれてはじめてで、もうキミから目を離せなくなった。



 ──キミがおまじないをかけてくれたしゆんかん、私は〝こいの魔法〟にかかってしまったんだ。



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