僕がモンスターになった日/れるりり(Kitty creators)・時田とおる
プロローグ
「
そのゲームを
「……
自分の部屋に向かってくる足音で、幼なじみの親友、
「そう! 『Lv99』! 面白いんだよ! ファンタジー世界で勇者になってモンスターと戦ったり人助けしたり! 疾斗、絶対ハマるよ!」
護が自分のスマホを疾斗に見せ、『Lv99』の画面を見せてくる。面白そうだ。さっそくアプリを見つけてインストールを開始する。
「そうだ。どっちが先にレベル99になるか、競争しようよ!」
にまっと笑う護に、疾斗は冷ややかに言葉を返す。
「別にいいけど、お前が俺にゲームで勝てるとは思えねえけどな」
「なっ……! こ、今回はちょっとだけ僕の方が早く進めてるんだから、絶対勝つよ!」
護はぐっと
「人々を救う勇者とか、正義の味方とかってさ、やっぱり男の
「お前はどうしてそう
「心配しなくても、疾斗の前でしか言わないよ。僕、学校では
「自分で言うな。ホントはただのゲーオタのくせに」
冷たく言うと、護はどさっとベッドに
「そうだよ……僕はただのゲーオタなのに何でみんなハードル上げるんだよ……!」
高校に上がり、一年の一学期も終わろうとしている。顔も頭も性格もいい──改めて考えると腹が立つほど
うだうだ言っている護を
「疾斗ってさぁ……好きな子、いる?」
「は!? い……いきなり何だよ!? いるわけねえだろ!」
護の言葉に、
あんなのは、
「……そっか」
護はぽつりと
疾斗の手からスマホが
「まっ、ま、まさかお前……!?」
「あ、あははははは……」
「お前、か……彼女できたのか!?」
疾斗の声に、護の顔から
「彼女じゃなくて……ていうか、告白もしてなくて……」
ホッとしたのもつかの間、護の顔を見て、疾斗はすぐにケッと言葉を
「どーせお前ならすぐOKしてもらえるっつの。
「わ、わかんないだろ! 僕は
昔から顔が良くて
「チッ! 強くてニューゲーム状態のお前が何を悩むんだよクソが!」
「……死ぬほど口悪いけど、いちおうそれは
さすが幼なじみ。わかってしまったか。
「……何かさ、守ってあげたくなったんだ。彼女が弱いとかじゃなくて、こう、大切にしたいっていうか。
「あ、そういうのいいです。聞いてるだけで恥ずかしいんで」
「聞いてよ! こんなこと疾斗にしか言えないんだってば!」
疾斗の気のない返事に、護は不満そうだったが、聞いてるこっちが恥ずかしい。
きっとそれだけ護に
絶対に言ってやらないけど、疾斗の
ちょっとムカつくけど、彼女ができた
ふと、不安とともにふわふわの髪が疾斗の脳裏に
ないと思いたい。でも、もしも彼女だったら……疾斗に勝ち目などあるはずがない。いや、別に、そういうのじゃないけど。
「ち、ちなみに相手って……誰?」
疾斗が
幸せそうな
「■■■■だよ」
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