第5話「君の笑顔にカンパイ!」
キタちゃんとタッグを組んだオリジナル漫画の制作に入って三日目。今日の昼休みは、二人で部室に集まって打ち合わせをしていた。
「主人公、こんな感じでどう?」
「
「ううん、
「ベタ
「バレたか」
漫画の原作ってどうやればいいのか分かんないと言っていたキタちゃんは、得意の小説を書いてきてくれた。それを読んだ私は
キタちゃんの小説は読んでいると情景が
「なんか
「いや、まあ、」
「いいけどね。書いてる
キタちゃんは私のことなどお見通しであった。
だってだって主人公の
「あ~完成が楽しみ~。キタちゃん、直してほしいところがあったらばんばん言ってね」
今日の打ち合わせはここまでにして、
「漫画に関してはあんたの好きにしていいのに」
「ううん。私ね、キタちゃんの小説の
「……私もリホの
「キタちゃんっ」
「
キタちゃんにずずいと身を寄せた私は、部室のドアを
「来たなメグっぺ! えぇい
「
「無視!」
と、茶番はここまでにしておいて現在昼休みである。あと三十分しかない、ごはん食べなきゃ。
「メグっぺ、ココアと玄米茶、どっちか飲む?」
「玄米茶のほうをいただきます」
部室にはたいていのインスタント飲料が常備されている。他にも部員のお気に入りの茶葉やコーヒーが棚に置いてあって、名前がなければ好きなときに飲んでいいことになっていた。
お昼ごはんはいつも部室で食べているわけではないけど、今日みたいにクラスの
一年生のメグっぺこと園田めぐみは、いつも部室に来て昼ごはんを食べていた。教室で友達と食べないのだろうか、なんて
クラスに
メグっぺを見ていると、自然と去年のことを思い出す。
高校一年生のとき、私は中々友達ができなかった。
自分から話しかけて友達をつくるスキルがあればいいものの、名前も
そんな私に友達ができたのは、
家は道場、中学三年間は学級委員長だったキタちゃんの顔は実に広かった。席に座っているだけだった私に知らない子たちが話しかけてきてくれたのは、キタちゃんが働きかけてくれたから。後日、お礼を言う私に、彼女は知らないとしらを切っていたけれど。
「先輩たち、二人で漫画描くんですよね」
「うん、そうだよ。世界のキタガワが原作ですよ!」
「できたら読ませてくださいね」
私、先輩なのにな、あしらわれてるな。マリちゃんといい、今年の一年はちょっと生意気だぞ。
まあいいだろう。食べながらだけど、描いたキャラクターを見せてみた。
「メグっぺ、どう思う?
「ヒロイン、
「あぁうん。今回の話、ヒロインあんまり動かないんだ。
「ヒロイン以外のキャラがけっこう
「というかむしろ男同士の友情がメインみたいな! みたいな!!」
「なるほど」
またもさらっと流されたが、メグっぺは漫画やアニメに関してははっきりと意見を言う子なのでこういうときとても助かる。編集者に向いてるんじゃないだろうか。
「
「はい」
完成、楽しみですね。
メグっぺは、はにかんだ笑みを浮かべながら小さく
やっべ、メグっぺ萌えるんですけど。
私にキタちゃんがいたみたいに、メグっぺにもいたらいいのに。この子がいてくれたら
「なにニヤニヤ笑ってんのよ」
「先輩、不気味です」
前言
今年の一年生は
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