第2話「メールのはじまり」

 登校きよを決めた次の日の朝は、私の気持ちとは正反対の気持ちよい晴れだった。

 二学期の始まりなんてまだまだ暑いはずなのに、今日に限って過ごしやすい気候に変わっているなんて私、本当につくづくツイてない。

「紗南ー。起きなさーい! 学校、おくれるわよー!」

 階段下から母親が私を起こす声が聞こえてくるけれど、返事をしなかった。

「紗南! 何してるの! どうせ昨日、夜おそくまで起きてたんでしょ!」

 お母さんのり声を聞き、朝からモヤモヤばかりがたまっていく。

 私はとんの中で大きなため息をついた。

「いい加減にしなさい! 本当にこくするわよ!!」

「うるさいな! 学校なんか行かないんだからほうっておいてよ!」

 たまったイライラがばくはつして、ベッドから起き上がると母親以上に大きな声を出して、自分の部屋の扉を思いっきりこぶしでたたいた。

 そのあまりの音としようげきに、なぐった手はじんじんと痛んでいるし、さけんでもちっとも心はスッとしなかった。

 母親も私のこの行動に絶句して階段を上って来ていた足音が止まり、少しのちんもくの後、さっきとは全くちがこわいろで話しかけてきた。


「どうしたの? 学校でいやなことでもあったの? お母さん、何も聞いてないから知らなかったわよ……」

 どうして何もかもお母さんに報告しなければいけないんだろう。

 母親なら言わなくてもわかってくれてもいいのに、なんて、すごく自分勝手なことで今、イラついている。


「もう私のことはほっといて!」

 頭が中からどんで打ち付けられているみたいに痛い。

「はぁ……もう最悪……」

 おでこを手のひらでおおって目をつむり、ねむりにいた。

 でも、浅い眠りは私をすぐに目覚めさせる。

 カーテンも開けていないから外の様子はいつさいわからない。

 だから部屋の時計をかくにんすると、お昼の十二時もまだ回っていなかった。

 この時間、いつもなら三限目の授業を受けているくらいかな……

 今日の三限目はたしか、担任の都築先生の国語の時間だ。

 都築先生は私のクラスの担任だけど、いつもどこかけていてたよりない。


 ─────学校、めようかな。

 そのせんたくが、私の中で自然とかび上がってきていた。

 行ったってイイことないし。

 悪いことばっかりだし。

 誰の目にも留まらなくなった今は解放された気分もあり、むなしい気分でもあり、それでも逃げられてホッとしたような……

 とても、とても複雑な感情だ。


「はぁ……」

 大きなため息をついててんじようを見上げた時、家の電話が鳴っている音が聞こえてきた。

 そして、お母さんが気取った声を出してしやべっている。

 いいな、お母さんにはママ友という友達がいるのに、どうして私はいないのだろう。

 そばにあったクッションにスマホを投げつけ、私はどうしようもなく込みあがってくる感情を言葉にせずに、心の中で叫び続けた。

 必要以上に部屋から出ず、私の登校拒否一日目はしゆうりようした。


 ご飯も親が部屋まで持って来てくれ、おやトイレの時以外、部屋から出ない。

 部屋で過ごす方法は、パソコンで無料の動画を見たり、買っておいた雑誌を見てひまつぶす。

 そんな日々が退たいくつでたまらなかった。

 でも、学校というあの輪の中にもどろうなんて気はさらさらない。


「ねぇ、紗南。あなた、学校はどうするの?」

「だから辞めるって言ってるじゃん。学校にもそう伝えて」

「でも……」

「しつこい!」

 お母さんとの会話もそればかり。

 そんな日が一週間ほど続いた。

 なかなかけなくて、夜中に布団に入ったけれど浅い眠りだったせいか朝に目が覚めてしまった。

 そうしていると、フローリングに置きっぱなしにしていたスマホから音が鳴った。

 おどろきの方が強くて、送信者を確認しないまま私はメールをかいふうした。

「なに……これ」

 そこにはなぜか担任である都築先生からメールが届いていた。


【おはようございます。担任の都築です。朝ですよ、起きていますか? 今日はとってもいい天気ですよー。カーテンを開けてください。朝は自然の光を浴びて体を起こしましょう】


「はっ? 意味わかんない。なんで先生が私のアドレス知っているの?」

 私は学校に行っていた時、信用している友達以外にはメールアドレスどころか、電話番号さえも教えたことがなかったのに。

 それなのになぜ先生が知ってるの?

「……お母さん……!」

 きっと犯人はお母さんだろう。

 学校に行かない私のことを相談して、登校するように説得してと言い出したのかもしれない。

「お母さん!」

 大きな足音を鳴らして私は階段を下りていく。

 キッチンにいたお母さんはそれは驚いた顔をしていた。

「担任に私のアドレス、教えたでしょう!」

 エプロン姿のお母さんにさっき届いたばかりのメールを見せる。


「勝手なことしないでよ!」

「勝手って……たしかに勝手をしたけれど、先生も紗南のことを心配してくれているのよ。だから、メールアドレスだけでも教えてくれって言われて」

「だからって教えたの? 最悪! なんで担任からメールをもらわなきゃいけないのよ! 本当、めいわくなんだけど!」


 ただウザいという気持ちから、次から次へと反発する言葉が止まらない。

「二度と勝手なことをしないで!」

「紗南、待ちなさい!」

 その言葉をはき捨てて、私は下りてきた時と同じくらいの勢いで階段を上って行った。

「大っきらい。大人なんて、みんな大嫌い」

 鼻をすすり、勝手にあふれてきたなみだを手のこうで思い切りく。

 反抗心ばかりが込みあがってきて、この日の私はいつも以上に気持ちがれていた。

 それから先生は毎日同じ時間にメールを送ってくるようになった。

 それは毎朝七時半。

 私の家から学校に行くまでに、この時間に出れば間に合う、そんな時間だ。

 先生はこのメールをきっかけに私が学校へ行く気になるとでも思っているんだろうか。

「バッカみたい」

 鼻で笑い、メールの内容を確認する私。

 今日のメールは、


【そろそろ現国で小テストをじつしようと思っています。今までの復習をすれば簡単ですよ。一日に数分でもいいので、教科書を開いてくださいね】


「勉強なんかするわけないじゃん」

 登校きよをする生徒が家でに教科書を開いて勉強でもすると思っているのかな?

 でも、そろそろ部屋の中ですることもなくなり、暇を持てあましていた私。

 パラパラッと現国の教科書をめくってみる。

「ていうか、なんで先生の言うことを聞いちゃってんのよ、私」

 閉じた教科書をフローリングの上に投げ、ベッドの上に横になった。

 そして無意識にスマホをつかみ、メールの受信画面をタップした。

 そこにはずらりともう見慣れた先生のメールアドレスが並んでいる。

 登校拒否になってから、私にこうしてれんらくをくれたのは都築先生だけだ。

 それを何気なしにタップして一つずつ読み返してみた。


【おはようございます。よくねむれましたか? そくは集中力低下の一番の原因です。かしはしないように。教室で会える日を待っています】


【雨が降ってきましたね。折りたたがさは持っていますか? 小さな傘でも、さめ程度ならあなたを守ってくれます。忘れないようにしてください】


【先ほど、職員室の金魚にえさをあげました。餌を食べる金魚はかわいいですよ。あなたは今日何か美味おいしいと感じたものを食べましたか?】


「よくもまぁ、女子高生相手に毎日送れるよねー」

 担任だというだけで、登校拒否のひきこもりの女子高生に毎日、色々と考えてメールを送らなきゃいけない先生という職業も、なかなか大変だなぁとみように冷静になって都築先生からのメールをながめていた。

 真面目そうな先生のことだ。

 きっと、頭をかかえながら内容を考えているにちがいない。

「でも、返信はするつもりないけれどね」

 返信なんかしてしまったら負けた気がして、どうもなおにメールを返せないでいた。

「まぁ、こんな私相手にいつまでもメールなんて送ってこないよね。すぐにやめるよ」


 それでも都築先生はあきらめなかった。

 平日は毎朝、必ず七時半に一通のメールを送ってくる。

 それは昨日の学校での報告もあり、その日の朝の出来事を記していることもある。

 それを結構楽しみにしている自分が信じられなかったけれど、でも、先生からのメールを読んでいると、心が軽くなる……そんな気持ちになっていた。


 そして登校拒否を始めて三週間くらいった月曜日。

 その日の朝に、しようげき的なメールが私のもとに届いた。

【今日も学校に来られない様なら放課後、家庭訪問に行きますね。二学期の学校行事のことなどで伝えたいこともあるので、よろしくお願いいたします】


「はぁ?」

 ベッドのとんにもぐり込んでメールを見ていた私は勢いよく起き上がり、なぜか自分の服装を一番に気にしてしまった。

じようだんでしょ? 女子高生の部屋に男の担任が入るの?」

 学校に行っているときは、多少は身なりを気にしていてかみもメイクも人並みにづかっていた。

 でも、家にずっとこもりきりの生活で何もしてこなかった今の私ははだも髪もボロボロだ。

うそ、うそ、ウソ! マジでかんべんして!」

 絶対に部屋には入れないことを心の中でちかいながらも、ぐしで髪を整えている私。

 思っていることと行動していることは別々だ。

「本気でいやなんだけど……!!」

 ソワソワとごこの悪い時間を私は夕方まで過ごすこととなった。


 ─────そして、夕方。私の家のインターホンが鳴った。

 私は自分の部屋のとびらに耳を当て、聞き耳を立てた。

 すると、HRで毎日聞いていた先生の男の人にしては細い声が聞こえてくる。


「おいそがしい時間にすみません。紗南さんの担任の都築です」

「まぁ、ご足労いただきありがとうございます。どうぞ、お上がりください」

「すみません、ありがとうございます」

「いえいえ」

 と、大人の定番のあいさつが階段下から聞こえてくる。

「早く帰っちゃえ」

 ぶっきらぼうに独り言を言ってからしばらくした後、私の部屋の扉がノックされそのままゆっくりと開いた。


「紗南、都築先生が来てくださったわよ」

 お母さんはそう言いながらさらに大きく扉を開けた。

「おじやします、弥生さん」

 お母さんの後ろから先生のやさしいがおが見え、その声を聞いて私は正気に返り、勢いよく立ち上がった。

「ちょ……! どうしていきなり扉を開けるの! 信じられない!」

「ちゃんとノックしたわよ」

「返事してないのに開けないでよ!」

 気のけた姿を見られたというずかしさのあまり、大きな足音をたてながら私はドアノブを摑み閉めようとする。

 すると、先生の大きな手がその扉をおさえた。


「急に閉めようとしたら危ないですよー、弥生さん。少しだけお話できますか?」

「できないから! 帰ってよ!」

 ドアの勢いを止められても、私の込みあがってくる意地は止まらない。


「紗南! 先生に向かってなんてこと言うの!」

「先生とか一番会いたくないから!」

 もうこうなったら言葉は止まらなかった。

 それでも都築先生は苦笑いしかしないのだから、女子高生にこんなことを言われ慣れているか、かなりのメンタルの強さの持ち主かだと思う。

「うーん、困りましたね」

 ほら、やっぱり先生自身は全く気にしてない。

「じゃあ、五分だけ。五分だけ僕に時間をください。しやべりたくなかったら何も話さなくていいですから。少しの間、いつしよにいていいですか?」

 先生は扉をおさえていた手を私に広げて見せ、五分という時間を強調してくる。



「んー……じゃあ三分でどうですか? 三分過ぎたらすぐに帰りますから」

 三分だけとまで言われて、それでもいやだと言うのはさすがに子ども過ぎるだろうと思い、しぶしぶうなずく。

「……絶対に三分だけだから」

「ありがとうございます。じゃあ、お母さん、ちょっとの時間だけ僕と紗南さんだけにしてくださいますか?」


 先生が軽くしやくすると、お母さんは心配そうな顔を見せながら階段を下りて行った。

「えーっと……では、お邪魔してもいいですか?」

「……」

 私は無言で部屋に入り、ベッドの上に乱暴に座る。

 都築先生はキョロキョロと部屋をわたしながら、ゆっくりと部屋に入ってきた。

「……ちょっと。あんまり見ないで」

「あぁ、すみません。想像よりサッパリした部屋だなと思って」

 たしかに私の部屋は女子高生にしてはかざりっ気のない部屋だと思う。

 黒と白で統一したシンプルな部屋だから、どちらかというと男っぽい。


「座ってもいいですか?」

「三分だけなのに座るの?」

「三分だけでも弥生さんと同じ目線で話したいんです」

 とりはだがたちそうなことを言われて、私はかたいからせて先生をにらむ。

 なのに、先生は私の目線を受け止めて優しく微笑ほほえみ返してきた。


「女子高生と同じ目線とか……気持ち悪い。何考えてるの?」

「あはは、そうですね。何を考えているのかわからないから、たくさん話をしたいんです。どうして学校に来なくなったのか。今、あなたが何を考えているのかとか」

 かくしんせまられた話題を出されて、身構えてしまった。

 でも、登校きよをした私の家にまでわざわざやってきたということは、絶対にもう一度学校に来させようと説得しに来たに決まっている。

「学校には行かないから」

「そうみたいですね。さきほど、お母さんから聞きました。絶対に学校には行かないと」

 先生は笑ってはいるけれど、さっきみたいな軽い笑みではなくなっていた。

 私はその顔からげるように視線を泳がす。


「わかっているなら帰って」

「それではなぜ学校に行かなくなったのか、理由だけでも聞いてもいいですか? める辞めないは弥生さんの自由ですから」

「マジでそんなこと言ってんの?」

「えぇ。僕は教師ではありますけど、一人の人間の決断をいして曲げさせるほど、えらくはありません。ただ、なぜあなたがこういうじようきようになってしまったのか。それが知りたいんです」


 私は先生が放つ言葉の一つ一つに開いた口がふさがらず、マヌケな顔をしてその真意を頭で必死に理解しようとしていた。

 だって、絶対に「学校に来なさい」ということしか言われないと思っていたから。

「こんなことになるまで気付けなかった僕が一番悪かったと思ってます。だから、せめて弥生さんが一人で苦しんでいる部分を少しでもいいから取り除いてあげられたらと……」

「余計なお世話だから!」

 もう聞くにえられなくて、先生の話をちゆうさえぎった。

 そして部屋の扉の前に行き、ドアノブに手をかけて扉を勢いよく開け、私は立ち上がった先生を見上げて睨む。


「三分ったから。帰ってください」

「あれ? もう三分ですか? 早いですね」

「私の中では三時間くらいの気分です」

「うーん、僕ばっかり喋っていた気がするんですけど」

「先生、話長いから」

「あっ、じゃあ朝のHRや授業もそうですか?」

「そうよ。だからいつもかんじんなとこがわかんなくって……」


 早く帰ってほしくて声をかけたはずなのに、なぜか世間話になっていてあわてて口を閉じた。

 先生はニッコリと笑って私に近づいてくる。

「ちゃんと喋ってくださってありがとうございます。久しぶりに人と話をしてどうでしたか? 僕は弥生さんと話ができて楽しかったです」

 喋りたくない相手のはずなのに、今の先生の声は優しくストンと耳に入ってくる、そんなここいい声に聞こえる。

 そんな気持ちになる自分が許せなくて、先生のそばからけ足で去りベッドに向かった。


「早く帰って」

「そうですね、帰ります。これから部活も見なきゃいけないんで。ちょっとけてきたんですよ。帰ったらおそいって部員の子におこられますねー」

 気楽にそう喋るから全然急いでいるふうには思えないけど、でもたしかこの人男子バレーボール部のもんをしていたっけ。


「では、また明日あした

「……」

「さようなら」

「……」

 最後は先生の問いかけに返事をすることはしなかった。

 そしてそのまま先生は私の部屋を出て行ったんだ。

「はぁーーー……」

 先生が出て行ったあと、すぐにとびらを閉めて大きなため息をついた。

「帰った……」

 私なりに気を張っていたみたいで、ひどいだつりよく感におそわれる。

 こんなにつかれるくらいならっぱねなきゃいいのに、いつの間にか大きくなったはんこう心はどこまでもふくらむばかりだ。


 でも、「しやべれてよかった」とか「苦しんでいるなら助けてあげたい」みたいなことを言われて、「はい、ありがとうございます」なんて言えない、絶対に。

 そんなふうに思えるなら、とっくに先生に助けを求めていた。

 それに登校拒否になっていまさら……という思う気持ちの方が大きい。

 今日はもう精神的に本当に疲れたから、みんを取ろうとベッドにもぐり込む。


 でも、今から先生は部活の顧問のお仕事か……

 先生もいろんなものをかかえてるんだなと、そんなことを思ってしまった。

 だって、授業をして担任も受け持って、部活の顧問もしてさらにはこんな問題児のめんどうまでみて。

 私、将来絶対に教師だなんて職業なんかくことはないだろうな。

 いや、それ以前に『高卒』という文字をれき書に書けないんだった。


「ははっ」

 そんなことを想像していたら泣きそうになって、軽く苦笑いをしてとんを頭まで全部かぶった。

 まさか、自分がこんな道を歩むなんて思いもしなかったからだ。

 つうに高校に入学して、普通に進級して、普通に卒業して進学して。

 れんあいもちゃんとして、仲のいい友達も作って、高校生活をまんきつするはずだったのに。

 思い出したくもないけど、あの日を境にすべてがなくなった。


「……恵子、元気かな」

 最後に恵子を見たのは、まどかと恵子の彼氏の相沢君と三人で昼休みに移動していた姿だ。

 私はそのまま学校を飛び出して二度と行かなくなったから。

 そういえばクラスの子達で作ったメッセージアプリのグループ、そのままだったな。

 今の私には何の用もないから退会しようかな。

 ふと、そんなものを思い出し、スマホを手に取る。

 そのしゆんかん、なぜかとてつもなくいやな予感がした。

 なぜかわからないけれど、そういうかんというものが働いたんだ。

 すぐに退会しようとスマホの電源を入れたたん、数週間ぶりかに聞くラインのメッセージを受信する音。

 私はおそる恐るそのメッセージを読んだ。

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