三度目、そして

二度目の目覚めだ。

いつもより早い気がする。


「さて、どうするべきだろう…?」


とりあえず、さっさと大学に行く。

校内では、刺されることはないだろうと踏んだのだ。


予想は当たり、僕は今、昼までは生きている。

ここで、外で食べるのに乗ってしまったら、最初の二の舞だ。

断り、保証のない明日への策を巡らせる。


だが、前回家で刺されたので、結局明日までは生きられないだろう。

ならどうするべき…?

そこで一つのことに思い当たる。


家に帰ってきた。が、家の前には誰かが待ち伏せしている。

…やっぱり。

そして僕は、鋭い腹の痛みとともに地面に倒れこんだ。

そのまま意識が暗転した……。


____________________________



三度目の同じ日。早くに起きた僕は、さっさと準備して大学へ行った。

その道中に、スマホを操作し連絡を入れる。

相手は、僕の送った内容に戸惑っていたが、受け入れてくれた。


昼になった。僕は、最初の時と同じように外に食べに行く。

日差しと人混み。やはり暑い…。

声をかけられ、そっちに行く…ふりをして逆に行った。


「え、ちょっと優也くん!?」


一人が驚いた声を出している。何も言わなくてごめんね。


人混みの間をすり抜けていく。出来るだけ、人のいないところへ。

後ろから、犯人とみた人が追いかけてくる。


走って走って、袋小道にたどり着いた。

壁に覆われ、逃げ場はない。ジリジリと犯人が近寄ってくる。


「お前は誰?なんで、僕のこと刺そうとしてきたの?」


声をかけても、犯人は黙ったまま。手に折りたたみのナイフを握りしめ、一歩一歩、歩みを進めてくる。


「そっか、答えてくれないんだね。じゃあ、しょうがないや」


犯人が走ってきた。が、僕にたどり着く前に地面に伏せることとなった。


「柔道部の友達がいて助かったよ、ありがとう」


「いや〜、ナイフを持ってたから少し不安だったけど。相手が弱くて助かった〜」


伏せた犯人にまたがり、寝技で押さえ込んでいるのは、僕の友達の武琉くんだ。

突然の連絡に、文句も言わずここに来てくれた人だ。


「そのまま抑えていてね。帽子とマスク、取るから」


武琉くんは、おう!と返事をし、体勢を維持してくれている。

そして、帽子とマスクが宙を舞い、露わになった顔は…


「…え、幸人?」

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