三度目、そして
二度目の目覚めだ。
いつもより早い気がする。
「さて、どうするべきだろう…?」
とりあえず、さっさと大学に行く。
校内では、刺されることはないだろうと踏んだのだ。
予想は当たり、僕は今、昼までは生きている。
ここで、外で食べるのに乗ってしまったら、最初の二の舞だ。
断り、保証のない明日への策を巡らせる。
だが、前回家で刺されたので、結局明日までは生きられないだろう。
ならどうするべき…?
そこで一つのことに思い当たる。
家に帰ってきた。が、家の前には誰かが待ち伏せしている。
…やっぱり。
そして僕は、鋭い腹の痛みとともに地面に倒れこんだ。
そのまま意識が暗転した……。
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三度目の同じ日。早くに起きた僕は、さっさと準備して大学へ行った。
その道中に、スマホを操作し連絡を入れる。
相手は、僕の送った内容に戸惑っていたが、受け入れてくれた。
昼になった。僕は、最初の時と同じように外に食べに行く。
日差しと人混み。やはり暑い…。
声をかけられ、そっちに行く…ふりをして逆に行った。
「え、ちょっと優也くん!?」
一人が驚いた声を出している。何も言わなくてごめんね。
人混みの間をすり抜けていく。出来るだけ、人のいないところへ。
後ろから、犯人とみた人が追いかけてくる。
走って走って、袋小道にたどり着いた。
壁に覆われ、逃げ場はない。ジリジリと犯人が近寄ってくる。
「お前は誰?なんで、僕のこと刺そうとしてきたの?」
声をかけても、犯人は黙ったまま。手に折りたたみのナイフを握りしめ、一歩一歩、歩みを進めてくる。
「そっか、答えてくれないんだね。じゃあ、しょうがないや」
犯人が走ってきた。が、僕にたどり着く前に地面に伏せることとなった。
「柔道部の友達がいて助かったよ、ありがとう」
「いや〜、ナイフを持ってたから少し不安だったけど。相手が弱くて助かった〜」
伏せた犯人にまたがり、寝技で押さえ込んでいるのは、僕の友達の武琉くんだ。
突然の連絡に、文句も言わずここに来てくれた人だ。
「そのまま抑えていてね。帽子とマスク、取るから」
武琉くんは、おう!と返事をし、体勢を維持してくれている。
そして、帽子とマスクが宙を舞い、露わになった顔は…
「…え、幸人?」
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