初めての

真夏の新宿は、暑すぎる。

ジリジリとした日と人混みの中を僕はせっせと歩いていく。


「優也く〜ん?置いてっちゃうよ〜?」


「ああ、今いくよ」


そう言って、僕は小走りした。

その直後、僕は倒れる。

え?僕は何かにつまづいただろうか?

それはない。前方はちゃんと確認していた。

背中に痛みを感じる…?

ああ、体から力が抜けていく…友達の呼ぶ声も遠い…

刺された…?

一体誰に…なんで…?


____________________________


ガバッ


ここは…病室?…いや、見慣れた自分の部屋だ。


「…なんだ、夢だったんだ。焦った…」


冷や汗がブワっと出て、少し寒くなって震えた。

やけにリアルだったが、結局は夢の話。切り替えて、大学に行こう。


「さて、時間は…。っ!?」


時計を見て驚いた。だって、そこに書いてあるのは夢の話だと思っていた殺人の日付。その朝だから。


「…どういうことだ?」


困惑しているところに、家のチャイムがなった。

こんな朝早くになんだろう?と思いつつ、僕は扉を開けた。


「あ、君は…!ぐっ…」


腹に鋭い痛み。そこから体の冷え。

…そして、また意識は途切れた。

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