第97話 傭兵ギルドの日常
傭兵ギルド
カウンターには、絶世の美女のエルフが座り、忙しそうに手を動かしている。
そのカウンターの横には、いくつもの椅子と机が並べられ、傭兵と思われる男達が、木の札を片手に雑談をしていた。
そして、いくつかの番号が飛び飛びで、呼ばれる。
呼ばれた番号順という事なのだろうか。
耳を傾ける。
「獣人の国家都市ラハールだ。対象は、隣接国家都市ディアボロス」
女エルフはカウンターに地図を広げて、傭兵達に説明する。
「受けるものは残れ」
そう告げると2人の男が抜け、こちらの席へと戻ってくる。
「よし。では、銀章を渡す。報酬は現地支給。7日後までに到着しろ。以上」
素早く散る傭兵達、女エルフはまた視線を下に向け、手を動かす。
…
……
………
また番号が呼ばれる。
先程のスキンヘッドの男だ。
「サムソン。指名依頼だ」
「そいつは、ありがたい」
サムソンは言葉とは裏腹に、特に喜んだ様子もない。
社交辞令のようなものなのだろう。
「先払いの金貨2枚。戦場はこの前と同じだ。受けるか?」
「あそこには借りがあるんでね。姐さん、受けますよ」
…
……
………
その後も同じようなやり取りが、繰り広げられていた。
指名依頼はその場で報酬が貰え、現地集合はその場所で報酬が貰えるようだ。
またそれ以外に、依頼主が数日後に迎えに来て、その時に報酬が貰えると同時に旅立つ形式もあるようだった。
私は初めて見る傭兵ギルドの光景に耳を傾けて、楽しんでいた。
ルルとフィーナは凄く退屈そうに、森の道中の思い出話に花を咲かせている。
そして、随分と空席が目立ってきた頃、私達の番号が呼ばれた。
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