第8話 王宮にて

「アジェンダ王様

ところで、その姫君の父上は名前はなんと言われるのですか?」

傍付きの腹心の家臣でもあるクインが問いかける


「アリシア姫…父君の名前は?」


「あ…あのダルトア男爵です」


「えぇ!!ダルトアですと!

確かに傍系ですが、王族の血筋です」


「しかしダルトアは、先の水の女王であり黒の女王エルテア様に黒の大貴族達を

暗殺しょうとした罪深き者!!


エルテア様の夫の火焔の王ナテア様が

たいそうお怒りになり


男爵は首を跳ねられ処刑し

一族の者は残らずに奴隷にせよと厳命を…」



「黙れ!!我に逆う気か!その命は撤回する

既に私の父も母もない


私がこの国の王だ…」怒りの表情を浮かべて 大声でアジェンダは言う


「既に王命は下した…

アリシア姫は奴隷の身分から解放して黒の貴族の姫の身分…


いや…王族の血を持ってる これより黒の大貴族の姫だ 」


「ああ…そうだ一族の者達も解放する

黒の貴族として


生き残りはいるか?」


「いえ…王様…

男達は鉱山に送られ、落盤事故で皆、死んだとの報告があります


女達は自害や以前の疫病で…」


「子供で生き残りは娘の一人だけと…」



「そうか…可哀想に姫…」



「それから、その暗殺未遂事件だが、再調査せよ…


クイン、そなたもあの腹黒い狸の事は

前々から良く知ってるはず

他にもあの狸の事を調査せよ…今度こそ、ルアン、尻尾を掴んでやる」



女官の一人が言う

「王様…アリシア姫様の御部屋の準備が整いました」


「薬師も呼んでおります

湯浴みの支度も済んでおります」


「わかった、頼んだぞ

ああ…それから軽い食べ物に飲み物や果実も


後で一緒に食事をしょう アリシア姫」


「あ…はい

有難うございます…なんと感謝していいか…私」

涙が流れ落ちる


そっと頬にキスをして涙を指先で拭うアジェンダ


「良い、気にするな…」

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