第9話 アリシアへの想いと・・彼女を酷使した者達
私がこの国の王だ…
既に王命は下した…
アリシア姫は奴隷の身分から解放して黒の貴族の姫の身分…
いや…王族の血を持ってる
これより黒の大貴族の姫だ
ああ…そうだ…一族の者達も解放する
黒の貴族として
生き残りはいるか?
いえ…王様…
男達は鉱山に送られ、落盤事故で皆、死んだとの報告があります
女達は自害や以前の疫病で…
子供で生き残りは娘の一人だけと…
そうか…可哀想に姫…
それから、その暗殺未遂事件だが、再調査せよ…
クイン、そなたもあの腹黒い狸の事は
前々から良く知ってるはず
他にもあの狸の事を調査せよ…今度こそ、ルアン、尻尾を掴んでやる
女官の一人が言う
王様…アリシア姫様の御部屋の準備が整いました
薬師も呼んでおります
湯浴みの支度も済んでおります
わかった、頼んだぞ
ああ…それから軽い食べ物に飲み物や果実も
後で一緒に食事をしょう
アリシア姫
あ…はい
有難うございます…なんと感謝していいか…私
涙が流れ落ちる
そっと頬にキスをして涙を指先で拭うアジェンダ
良い、気にするな…
あ…この手は姫よ
酷い有り様だ…
あの…私は7歳の時から下働きとして働いてました
どんな仕事を?
洗濯に料理の下ごしらえ
ジャガイモやにんじんの皮むきとか…パン作り…
御部屋のお掃除に風呂を炊いたり…
暴力はなかったか?
どんな服を与えられた?
心配そうにアジェンダはアリシアに問いかける
ボロボロの服に 鞭に暴力 まともな食事もなく
一日中朝早くから夜遅くまでこき使われて
まともな教育も受けられなかった事を聞きだした
そして どんなにみじめな思いをさせられていたかを知る
我が母、優しき水の女王であるエルテア女王は 奴隷とて まともな食事に
最低限の勉強をさせる事を法で定めた
特に子供の奴隷の虐待を禁じた
今後は安心して過ごす事を約束しよう
まずは 湯浴びに食事や服だ
後でな 我が姫
・・あ、ありがとうございます
涙ぐむアリシア
アリシアが他の女官たちに連れて行かれた後
不気味な笑みを浮かべるアジェンダ
クイン
残酷な王の顔がのぞける
はい、我が王
クインは にこりと当たり前のように微笑む
アジェンダを始め黒の王族
特に火焔の者達は 愛する者を熱愛するが
決して敵には容赦がない それは火焔の王である彼の戦のありようのごとく
クインも代々の王に仕え 良く知ってる
アリシアを酷使した者達への残酷な身の毛もよだつ長い時間をかけた罰が待ってる
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます