005 他の人もいるしせめて河川敷とかで
グウゥゥウ~
そういやたこ焼き食べようって時に召喚されたんだったか。
腹減ってるし食べちまおう。
「折角買ったんだし食べようぜ?片倉さんも、ほら、悠司も座れって」
「え?あ、うん。そうだね。お腹空いたもんね」
早速手を合わせる俺と片倉さん。
む、ちょっと冷めてるけど猫舌の俺にはちょうどいいくらいになってる。うまいな。
ところでこっちは食べ始めたってのに突っ立ってる奴が一人。
「いやいやいや!お前ら動じなさすぎじゃない?!え?今一瞬だけど召喚されたよな?俺だけおかしいのか?えええ?」
「ちょっと、うるさい!周りの人のことも考えなさいよ」
流石は片倉さんだ。悠司を黙らせることにおいては右に出る者はないな。
何やら文句を言いながら悠司も座った。
「一応確認なんだけどさ、お前らも一緒に行ったよな?開斗とはちょっと話した記憶もあるんだが、一緒だったよな?」
「ああ、なんかお前話しかけてきたっけか。まあ、俺も一緒だったのは間違いない」
「だよな!俺がなんか一人で混乱してるだけかと思っちまったぜ」
どうやら悠司は一人で混乱してるようだな。
向こうに召喚されてもらってきた物は籠手?みたいなやつだし、うるさいし、多分間違いない。
だって片方だけだし、結構大きいからあいつの小さいバックじゃ絶対入んないぞ。
片方の籠手だけ抱えて電車に乗ってる悠司を想像したらちょっと面白くて吹いてしまった。
「開斗なに笑ってんだよ、なんか面白かったか?」
「いや、すまんな。大丈夫だ。お前が貰って来たのって籠手なのか?」
俺の必殺・唐突な話の転換でごまかす技。
これまでこれに引っかからなかったバカ(悠司)はいない。
「ん?ああ!そうだ聞いて驚け、これはな、
あー、これは騙されてるな。
確かに煌びやかな飾りはないけど堅実な造りの感じからオーラ的なものが伝わってくる感じはしないでもないが、そんな凄いのを突然やって来た一般召喚者に渡さないだろう。
ある程度は名のある物なのかも知れんが、力が解放される様な大層な物ではないと思う。
「そうなの?!悠司にしては凄そうなの貰ってんじゃない!でもね、私のも凄いだから!」
片倉さんがペンダントっぽいのを見せつけてくる。
というかこっちもか。二人してピュアっピュアだからな……将来が心配だ。
「これは
うーん。夢見る少女って感じ。
十字架の中心に綺麗な宝石…ダイヤモンドっぽいのがはめられている。
片倉さんがあれを握ってるだけで、そんな感じの映画のワンシーンにありそうだ。
「で?開斗は何貰って来たんだよ」
「私も気になるなぁ。あ、もしかして、それ?」
片倉さんが俺の脇にあった本を指さす。
「開斗は魔導書…か?古そうな本だな。でも、あれか?めちゃくちゃやべぇ魔法載ってたりとかすんのか?!はやく見せてくれよ!!」
「え、やめてよ霧崎君!?他の人もいるしせめて河川敷とかで……」
なんか勝手に盛り上がられた。
魔導書だろうってのは正解だけどそんな大層なもんじゃねーだろ、多分。
「いや、まだ少し目を通しただけだし、多分思ってるような魔法は載ってないと思うよ?っていうより、俺はこんなん使えないと思うし……」
「じゃ何のための魔導書だよ!っていうか使えないのか?開斗なら使えそうな感じすっけど?俺のスキルじゃダメそうなんだよなぁ~」
「まあお前は魔法使うより殴りかかるもんな。いや投げ飛ばすのか?」
「あ、うるせえぞお前、それは忘れろっての!……てかスキルはどうなんだよ、なんか増えたか?」
「はぁ?いや俺は……ん?まて。おまえいまなんつった?」
「え、どした?もしかして増えてなかった?俺はなんか増えてたんだけど……あれ、
「私?えーと、ちょっと待ってね……」
突然周りを見渡す片倉さん。
なんだろう、誰か知り合いでもいたかな?
「霧崎君、悪いんだけどカバンをテーブルはしっこの方に置いてくれるかな?悠司も」
「良いけど……これで大丈夫?」
一応片倉さんに従って置いてみたがなんかあったんだろうか?
顔合わせたくない奴でもいたのかな。
「……ステータス」
片倉さんが唱えると同時、画面が浮かび上がる。
ああ、ステータス画面を隠すためか。ってあれ?
「片倉さんってスキル消えたんじゃなかった?一昨日くらいに」
「うん。そうなんだけど、悠司の言う通りさっきので追加されたみたいね。ほら」
なるほど悠司はそんなことを言ってたのか。
正直混乱してそれどころじゃなかったし、多分平常時でも分かんなかったかも。
流石は片倉さんといったところか。そんな彼女のステータスはこちら。
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片倉 玲奈
HP:30 MP:30
スキル
・翻訳
・暁の光
称号
・他世界訪問者
・目覚めの聖女
所持装備
・想聖のペンダント
―――――――――――――
……なんか凄そうなのあるんだけど。
追加されて初めて見たであろう当人は多分【目覚めの聖女】辺りを見てあたふたしていた。
「な、なかなかだな。玲奈にしては、うん……あ、俺のも見るか?」
声が震えてるぞ、悠司。
どういった感情なのだろうか?まあ、すぐ戻るだろ。さて悠司のステータスは。っと……
―――――――――――――
幹田 悠司
HP:56 MP:10
スキル
・翻訳
・直感
・解放の力
称号
・他世界訪問者
・孵化を待つ力
所持装備
・限始の籠手
―――――――――――――
なんか、聖女に比べると微妙だが、【孵化を待つ力】か。イベント戦で進化しそう。
あとはスキルの【開放の力】とかもイベントありそう。
そんな小学生みたいな事を考えていると悠司が急かしてきた。
「なあなあ、開斗はどうなんだよ?何が増えてんだ?」
まあ、俺だけ見せないのもあれだし。何より俺が見てみたい。
ただ俺だけ前の世界のスキル残ってるけど、一緒になってて大丈夫なんだろうか?
考えていても仕方ない。今の俺は大丈夫なんだから問題はない、はず。
「ステータス」
―――――――――――――
霧崎 開斗
HP:38 MP:27
技能:翻訳 灯火の力 適応力 魔力運用 現状維持
繧ケ繧ュ繝ォ
繝サ鄙サ險ウ
繝サ髑大ョ
繝サ闢?∴繧
称号:異世界渡り
繝サ莉紋ク也阜險ェ蝠剰?
謇?謖∬」?y
繝サ鬲泌ー弱?蜴滓嶌
―――――――――――――
なんか文字化けしてんだけど?
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