第6話

『…にて昨日午後、中学校3年生の女子生徒が自宅で首を吊った状態で発見されました。女子生徒のノートには…』

テレビで流れる自殺のニュース。

流れる度に私は不安になってしまうのだ。

いつだって後ろには死という憧れを込めた猥雑な幻想がそこに突っ立って、笑っている。

早く来いって呼ばれてるようで、

それでいて、どこか安堵してしまう。

死が生きる活力を産む。

この世界は矛盾だらけだ。

『…今日は現代社会に広く精通している森教授にお越しいただきました。よろしくお願いします。若者の死因の1位が自殺ですが、どう言ったお考えをお持ちですか?』

『まずね、自殺はしちゃダメだよ。』

ん?

『それに、死ぬ力があるなら生きる力だってあるはずなんだ。』

そりゃあるわ。だから余計問題なんだよ。力はあるのに死ぬという選択をしてしまった原因に。

『生きてれば必ず良い事があります。今日は悪い日だった。でも明日はどうだろう?そうやって一度考え直して欲しい。』

それは良い事があったやつが言った実績でしかないだろ。それにその日が来るまで期待して待っていれるほど私は強くない。

『辛い時こそ笑いましょう!今、死にたいと思ってる日々は誰かの生きたかった毎日なのですから。』

もういい。お前は黙れ。今すぐに。

自分が理解者だなんて思い込んでいるのか?

お前に何がわかる?所詮、お前も残される側の立場だろ。こっち側を理解した気でいるな。

もう黙ってくれよ。頼むから。死ねとは言わないから、とにかく











黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ私は何になるの黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ死にたい黙れ黙れ黙れ黙れそれでも黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ何もしたくない黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙吐黙れ黙れ黙れ黙れ笑えてくる黙れ黙れ黙れ黙れ無気力黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙け黙れ悲劇黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ助けて黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れおれ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙願黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ首に蚯蚓張れもういや黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙

黙れ黙れ黙れ望むな黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ狂おしいほどに生を感じたい黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ

黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ




お前ら散々言ってきただろ。儚いものほど美しいと。そのくせ人には生きろ生きろと縛り付ける。

どこにいったんだよ。その美学は。

望んで生まれた訳でもないのに、あたかも生きることが善であるように言い聞かす。

そもそも自殺を終わりじゃなく始まりだと捉えてる私達はどうすればいいんだ。

このままただ死にたいを繰り返す毎秒を生き続ける。それをなぜ美だと言い切れる?

まず、誰かの生きたい日々と私の死にてぇ今日を勝手に結びつけるな。同じにするな。

向こうにも迷惑だ。

欲しいならくれてやる。だからもう殺してくれ。

私はもはや死ぬ動機すらない。

死にたいじゃなく、生きたくなくて、

明日がいつの間にか今日になって、今日が昨日となってそうやって意味の無いカレンダーの紙が積み重なり、廃棄され続ける。

いっその事、誰かに刺されちまえばいいんだ。

良いよ。自分でやったことにするから。

そうすりゃ死ぬ理由程度にはなるだろ。


最近はメランコリーによく陥る。

見当はついてる。というかあれが解だって、とっくのとうに分かってる。

柳田くんに言われた「漫画」の一言。

もしかして私はこの崖っぷちに立ってまでまだ追いかけようとしてるのか。

後ろには引けないよ。

人生は片道切符って言葉、昔聞いたな。

戻れないんだ。

昔を惜しんでも、懐かしんでも、それはただの自分の中の思い出巡り。何も現状変わりはしないし、何も起こりはしない。

だから今を精一杯生きなきゃいけないんでしょ?

私はもう疲れたよ。でも生きなきゃまずい理由ができちまったもんだからさ。

どうしようもねぇんだよこれは。

生きる意味がある人間なんてどこにもいない。

だから言い訳を作らなきゃいけない。

それは誰にも等しく発生する責任だ。

ダメだなぁ。私は。

歩くことだってもう出来ないから、こうやって反発しなきゃ前に進めないんだよね。

イメージするなら水泳の蹴伸びかな。

でもどうしようか、もう反発する壁がないよ。

いよいよ、沈む時かな。

今日も仕事場への空模様は曇り。

あの頃ならこれぐらいなら大丈夫だ!って思ってたけど今は傘を持たなきゃ不安だ。

何もかも、失ったんだな。

確かに持っていた自信と共に。

灰になった私を彼はどう思ってるのやら。

また不安が募る。

部屋の押し入れにある首絞めロープがもはや私の精神安定剤だ。

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