【なぜなにドメイン】ドメインシリーズとは
【ドメインシリーズ】
現実準拠でだいたい十五年ほど前に初作が発売された人気シリーズ。現実のPS2に相当するゲームハードから初代『ドメイン』が発売され、そのシナリオと戦闘システムの爽快さ、BGMなど様々な要素が受け、当時新興だった制作会社としては異例の大ヒットを記録する。
結果、急遽続編を制作することが決定。残ってる大罪龍が四体だから、一作につき一体ずつ倒せば四作出せるんじゃない? という上層部の安易な考えにより、一気に五作目まで制作する企画がスタート。スタッフもやってやろうじゃないか! と気合を入れた結果、本来なら一作で終わるはずだったストーリーに続編用のシナリオを後付。
そのため、一作目は『大罪龍とそれに追い詰められる人類の戦い』を描く王道なRPGだったが、二作目からいきなり『大罪龍が裏で糸を引く人類同士の争い』といったストーリーが展開されることとなった。
全体的なシナリオの評価は一般的に3>1=5>4>2と言われている。1と5はそれぞれ初代ゆえの補正、5は最終作を見事に完結させたという点が評価されているが、全シリーズトップの人気は3である。これは単純に3ではシリーズ随一の人気キャラが目白押しであり、シリーズの看板キャラである「白光百夜」と「色欲龍エクスタシア」のキャラクター性が完成したためと言われる。
なお、外伝のルーザーズは別枠とされる。理由は後述、ルーザーズの項にて。
また上層部としては五作目まで出せば十分だろうという考えで、ルーザーズはスタッフが裏で考えていた企画を三作目が大売れしたタイミングでお出ししたもの。
【ドメイン】
ドメインシリーズ一作目。この時点ではシリーズ化の予定も一切なく、タイトルは非常に簡素なものだった。二作目以降のキャラクターを全面に押し出していくパッケージと比べると簡素なものとなっており、映っているのは主人公とヒロイン、それからラスボスである傲慢龍プライドレムのシルエットのみ。
シナリオの概要は、始まりは燃え盛る村から一人の女性が逃げ出す所から物語は始まり、世界観の説明が始まる。その後、女性が抱えていた赤子(主人公)が成長し、15の誕生日を迎えた所からスタート。
なんやかんやの末に村を襲われ、主人公は自分の母親が概念使いであることを知り、自分もまた概念使いとして覚醒する。そうして大罪龍との激闘に身を投じることになるのだが……といった内容。
全体として、初代における概念使いは人間から迫害される存在として描かれている。そんな存在が、やがて力を一つに合わせ、大罪龍と対決、世界を救うのが基本的なストーリーラインだ。
話の内容もシリーズの中では比較的重い方で、逆転のカタルシスは大きいものの、タメが若干それ以降の作品と比べると長め。
ただ、この長めのタメを評価するプレイヤーも多く、初代は他と雰囲気が違い、またハードの違いやシステムが洗練されきっていないことも含めて、特別視するプレイヤーが多い。
その上で、シリーズ最高人気はあくまで3なのだが。
本作で対決する大罪龍は暴食、憤怒、そして傲慢。
傲慢龍は強欲龍と並び、シリーズにおいて人気の高い悪役である。
【クロスオーバー・ドメイン】
ドメインシリーズ二作目。本作からシリーズ化が決定し、ドメインの前に、数字を意識させる単語がつくようになった。また、タイトルパッケージも多くのキャラクターが描かれるにぎやかなものとなり、本作以降と初代ドメインは、ハードの違いもあって別のものと考える者もいる。
シナリオの概要は、初代ドメインから約二百年後。人類は発展し、また初代の頃では少数派だった概念使いが、至る所に存在するようになった。そんな中で、国を動かす人材の多くも概念使いであり、この時期、世界は概念使いによって動いていた。
そんな時、その概念使い同士の国が戦争に発展する。この時、帝国と呼ばれる国は、概念使いも人も等しく傷つけるための道具として、魔物を調教し戦線に投入。世界は帝国の危機にさらされ、混迷を極めていた。
前作とは打って変わって、人同士の内輪もめを描く。前作の時代には迫害される側だった概念使いの数が増え、むしろ概念使いが人を支配するようになった時代。大罪龍が過去のものとなりつつある時代でもあり、本作では大罪龍はシナリオ終盤まで陰をちらつかせる程度である。
一気にシナリオの方向性が変わったことで、それを受け付けなかったプレイヤーがそこそこ存在する作品。ただ、シリーズ特有の雰囲気やカタルシスはこの作品においても受け継がれており、そこは好評である。
また、なんと言っても本シリーズは後に続く戦闘システムが完成した作品であり、戦闘の楽しさという面に関しては最高傑作と挙げるものが多い。
総じてシナリオ的な評価は悪くないものの人を選ぶが、戦闘システムは全作の中でも一番楽しいという評価。
本作で対決する大罪龍は嫉妬龍。
前作においては、消極的ながらもプレイヤーに味方してくれた存在であり、そのため黒幕であったことに衝撃を受けるプレイヤーは多い。また、いわゆる可哀想な悪役、同情できる敵であり、その面は人を選ぶキライはあるものの、彼女のことを気に入ったプレイヤーからは救済を望まれる事が多い。
【トライデント・ドメイン】
三作目にしてシリーズ最高傑作の呼び名高い作品。特に本作のヒロインとその師匠であるルエは、単体の作品としては異様なほどの人気を誇る。
シナリオは概念使いに憧れる主人公が、紆余曲折の末に概念使いに覚醒。各地をめぐり、冒険の果に因縁を築いた強敵、強欲龍と対決するというもの。
それまでの作品と比べると、非常にストーリーラインが簡潔になっており、また特徴として本作はそれまでの作品と違い「フリーシナリオ」制である。
本作はあくまでその本筋は強欲龍との対決であるが、それ以外にも世界中をめぐり、様々な事件に関わっていく楽しみがある。シリーズにおいても特にシナリオが明るく、万人受けするものとなっており、シリーズを初めてプレイするなら、3を推す既存プレイヤーは多い。
ただし、本シリーズは重い展開や辛い展開に魅力を感じるプレイヤーも多いため、そこを残念に感じるものも多かったが、後のルーザーズ・ドメインでそういった者たちは歓喜し、多くのプレイヤーの心が死ぬこととなる。
なお、本作の戦闘システムは2のほぼ流用で新しい要素はほとんど追加されていない。理由は様々だが、戦闘に新鮮味がないことで、若干RPG方面での評価が下がってしまっている。もちろん、ベースは戦闘的には特に評価されている2の流用なので、好評は好評なのだが、2と比較するとエネミーのデザインが意地悪く、爽快感が薄れてしまっているという指摘がある。
本作で対決するのは強欲龍。
設定的にも、傲慢に次ぐ強さを持つとされており、本作ではその実力を遺憾なく発揮した上、最終決戦では更にあるパワーアップを遂げることから、単体としての強さは強欲龍が最強、と感じるプレイヤーが多い。また、前作と打って変わって倒すことになんのためらいもいらない敵であることも、評価が高い原因。
【スクエア・ドメイン】
四作目となったドメインシリーズ。本作からそれまで伏線として存在していたものの回収が始まり、一気に話は五作目での完結に向かって動き出す。
シナリオの概要は、とある研究所のような場所で、百夜が一人の子供を逃がすところから始まる。その子供は本作の主人公であり、とある村で拾われて成長する。やがて、その子供は自身の出生の秘密を知るために旅に出る……というもの。
前作に引き続きフリーシナリオ制である本作は、前作と比べると評価が低い。原因は三作目とは違い、シナリオのカタルシスが薄いこと。そうなったのは本作が五作目でシナリオを完結させるためのつなぎ、伏線の整理や貼り直しという側面が大きいため。
一つひとつの事件が次回作への布石を担っていることが多く、全てを一気に解決させるには至らない物が多い。そこが評価をわかれさせる原因となっている。
ただし、本シリーズの人気キャラ、百夜の出生や主人公の出生。作品の根幹に迫っていく本筋の評価は高く、5と合わせてクライマックスの流れを盛り上げるものとして好意的に受け止められている。
また他に特徴として、本シリーズの主人公は全員フードを被り、性別不明という体で設定されている。しかし、本作は作品内の描写から、十中八九女性であると見られており、シリーズ唯一の女性主人公となっている。(※)
戦闘システムにいくつかの新要素があり、また戦闘以外にも色々とRPGにおける新要素が追加されている。とはいえ、こちらは可もなく不可もなくという評価であり、制作スタッフが意図したような評価は得られなかったようだ。
本作で対決するのは怠惰龍。
怠惰龍は一作目から徹底して、世界に関わろうとしない怠惰な存在として描かれ、一体どうやって敵対するのかと思われ続けてきたが、本作ではそんな彼に関わるある驚くべき存在が登場、また、彼も魅力あるキャラとして描かれ、大罪龍の中ではそこそこ人気が高い。
【フィナーレ・ドメイン】
五作目にして最終作。本作のみそれまでのシリーズとは異なり、数字を想像させる要素はでてこない。初代と並び、異色作にして代表作。パッケージも特殊な物となっており、表紙を飾るのは百夜と色欲龍エクスタシア。そして過去作のヒロインと大罪龍のシルエットである。
シナリオは色欲龍の養子である主人公が、百夜を調査するために、彼女と対決、それに勝利するところから始まる。いきなり作中人気トップツーのキャラに関係する。しかし、この流れは3の頃から伏線が張られ続けており、この主人公は満を持して登場したと認識されている。
最終作では、世界中に大罪龍に匹敵するほどの強大な魔物が各地で現れ、それと対決する。それまでの作品と比べると、それまでの作品では最終盤に現れる強さの魔物が平然と序盤から現れるインフレ具合である。これまた3以降から少しずつインフレはしていたのだが、本作で一気に表面化した。
また、本作はそれまでの作品の集大成として、それまでの作品で登場してきた多くの人気キャラが仲間になるという特徴を持つ。ただし、人気キャラである師匠ことルエなどは仲間にならず、話題に出る程度。
シリーズとしてはとにかく作品を綺麗に完結させたという点が評価される。ドメインシリーズは初代時点では続編の制作は一切企画されておらず、2以降のシリーズはすべて後付である。しかし、それにも関わらず後付を感じさせないシナリオは評価が高く、それを最後まで感じさせないまま完結させた本作の評価は1、3と並んで高い。
本作で対決するのは色欲龍。
当然ながら、それまでシリーズにおいて一貫して味方として描かれてきたキャラであり、本作においても主人公の義母という立ち位置である。対決するとはいっても、どちらかというとヒロイン的な描かれ方をする。その扱いには評価が高いが、嫉妬龍に救いの手を、と嘆く嫉妬龍ファンが少数ながら存在したりした。
【ルーザーズ・ドメイン】
実質的な最終作にして、外伝作。そしてシリーズ屈指の問題作でもある。しかし、一部に熱狂的なファンが存在することもまた、事実。
シナリオは、川で溺れていた記憶喪失の主人公を師匠ことルエが拾い、彼女のもとで生活をスタートさせる。しかし、紆余曲折あり、ルエを失った主人公は、失意のまま世界を放浪することとなり――といったもの。
全体を通してとにかく陰鬱かつ救いがない。シナリオに悪意があるとすら言われるほどに暗い展開が多く、カタルシスも薄い。コレに関しては、そもそも本作は発売以前から、そのくらい展開や陰鬱かつ救いのないストーリーが大々的に宣伝されていたことが大きい。
本作の制作経緯は特殊で、三作目が大成功に終わった際、上層部に本作の企画が提出された。本作はもともと五作目の前に発表したいと企画されたものであり、しかしその暗すぎる内容から絶対に万人受けしない、と企画が通らなかった。
ただ、最初から計画されていた全五作品を出し、その売上が好調ならばおまけとして出してもいいということで制作された。そのため、五作目が終わった後に発売されることとなる。
そのため、本作は四作目までの全てのシリーズに繋がる過去を描くものとしてストーリーが展開する。本作単体では救いはないが、本編の様々な描写を拾って、そこにつなげることで、各作品が好きならば、非常に深く刺さる内容となっている。
シリーズ事態はとにかく陰鬱で救いがないと言われているが、その構成自体は非常に優れたもので、「シナリオ自体は大嫌いだが、構成には唸るしかない」という評価がよく聞かれる。
また本作の特徴として、これまでのシリーズと比べるとバグがそこそこ多いことで知られる。有名なのは無限無敵判定バグと、高速レベリング。
なぜそうなったのかと言えば、そもそも本作には予算がほとんどかかっておらず、その上で次回作にあたる新シリーズへのテストも兼ねた新要素があちこちに盛り込まれているためだ。
そういった新要素に対するデバッグが足りなかったのが真相である。
全体的に人を選ぶ作品で、売上自体も本編と比べると非常に少ない。これを本編中に出さなかった制作会社の理性を評価する声も大きい。
ただ、好みこそ分かれるが、どれだけこの作品がキライでも、本シリーズには絶対に必要な作品であるという認識のプレイヤーも多く、時たま本作がドメインシリーズにとどめを刺したというようなアンチが現れると非常に浮いて白い目で見られる。そんな位置づけである。
(※)ドメインシリーズの主人公。
ドメインシリーズの主人公は基本的に性別不明である。例外は次回作以降に主人公とヒロインの子孫と思われる家系が皆勤で登場する初代主人公と、意図的に女性と思われる描写が多い4の主人公。
それ以外は基本的に性別不明である。ただ、メインライターいわく各作品ごとにある程度主人公の性別はどちらかを意識して描いているとのこと。例外はルーザーズ。
プレイヤーの考察では、1と3と5が男、2と4が女と考察されている。ルーザーズはとある理由から完全に性別については意図して描写が省かれている。
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