第2話 入学式編 前編
俺の名は『火神 新託』
今年高校生になる者だ。
普通に考えて一般的な生活を、具体的に言えば黒歴史を増やさない生活を求める一人の男。
だが、常人はこんなシュチュエーションがあったらどうする?
親元を離れ一人アパートを借り、新生活に心躍らせていた直後に美少女スクールメイトのお隣さん、天然失礼入っているが目鼻立ちも良くて容姿も文句のつけようがない女性!!(美少女な訳だが)が現れるとか、ホント何処のラブコメ主人公だよ。
そんな俺ただいま現在進行形で美少女(以下略)と自分の入学する学校に二人並んで登校している。
いや、普通に好きになるわこんなの
「長かった……」
ここまで来るのにどれだけの苦労を重ねたことか。軽く二回は死んでるレベル
「あら、私との会話が長く感じてしまう程苦痛だったと言うことかしら」
「ちゃいますわ。詳しくは言わんが俺に付きまとう闇の陰から振り切れたと言ったところだ」
「何なのかしら?……」
「気にしちゃ負けだ」
近付く生徒玄関、校門前は記念撮影をしに来た生徒と親でごった返していた。
「まだ、時間ありそうだな。」
「私達も撮っていく?」
「いや、普通に恥ずかしい」
「そう」
カップルじゃ無いんですからね?幼馴染ならギリギリセーフかも知れないけど俺の場合幼馴染もアウトなんだよな。
「クラス分け表……」
「生徒の配分はどう言ったものなのかしらね」
入学説明書には『生徒個人個人の
各クラスのバランスがどうのこうの……結構珍しいタイプの学校だよな
「まぁ、学力だけ見てって感じではなかったと思う。多分」
そう、と田畑 凛は視線を進行方向に向けたまま返事をする。彼女は「でも」と言葉を続けて口を開く
「確かに学校内イベントなどではそちらの方が良いと言ったところかしら」
「まぁ、知らんけど運動会とかでガリ勉だけ揃えられたクラスだと競り合い無くて詰まらんものになるのも嫌だしな」
そうこう言っているうちにクラス分け表の張り紙が貼ってある掲示板までやってきた。
因みに俺はBクラス
まさかとは思うが同じ中学の奴とかいねぇよな……
俺は自分のクラスの表を上からなぞる様に読み進める。
「あ」
『田畑 凛』と言う文字に反応した俺は心の中でガッツポーズをキメた。
「あ、おい。お前の名前あったぞ……って、どこ行った?」
「こちらよ火神君」
背後から襟を引っ張られ、捜索中の彼女を発見する。
「同じクラスなんて奇遇じゃない。出身地なども考慮したのかしら」
「偶然じゃね?」
「クラスは1階みたいだ。んじゃ、行きますかね」
「そっちは逆方向よ」
おっと、何故俺は家に帰ろうとしたのだろう……
そんなの分かっている。
目の前に俺と同じ中学だった『
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