第5.5話 社交辞令?
高瀬君に送ってもらったものの、休み明けどんな顔で会社で会えばいいんだろう。まぁ、コミュニケーション不足だったのは事実だし、もう少し日常会話に混ざったりするようにするべきかなぁ…。
そうでもしないと、せっかくMTGに興味を持ってくれてるのに新規プレイヤーを増やせないのも寂しいしなぁ。
こういう時の為に店置きしといてもらったスターターセットも使えたし、結構楽しんでくれてたと思うんやけど…公式のイベント関連の記事見たりはしないよな?
アレまで見られると、本当に月曜の会社でどんな会話していいものか。
インタビューやアンケートに答えてるし…動画とか見られたら恥ずかしすぎる。
割と真面目な上司で通してきてたからなぁ。朝一で課長に相談しよ、賞金で焼き肉御馳走しといて良かったぁ、救いの手を考えてもらおう。
高瀬君は同じ課の部下というか後輩か。主任という肩書はあるものの課内で直属の部下がいるわけでもないし、営業補佐を今春からやるようになって、たまに質問を受けてたくらいか。
課長がもう少し仕事覚えてきたら下につけるような話してたっけ。
未来の直属の部下に休日の姿をガッツリ見られたわけか…色々とやらかした気ぃもするけど、本来こっちが素なんだから仕方ない。
あんまり外回り途中で寄り道出来なくなるのが難点といえば難点やなぁ…新セット発売日に遅い昼休み使ってシングル買いにとか行けへんくなるんやなぁ。
そんなしょうもない事を色々と考えていると高瀬君からメールが届いた。
さすがにMTG関連の事を社内メールで貰うわけにもいかないから、プライベートのものを教えたんやけど、まさか本当に連絡が来るとは思ってもみなかった。
今日の事も社交辞令で付き合ってくれてたのかと思ってたくらいだ。
『件名:こんばんは♪ 高瀬です。
今日は本当にありがとうございましたm(__)m
お食事までごちそうしていただいてしまって(;^^A
今日の対戦の続きを楽しみにしてますね(^-^)
PS クレープのお誘いも楽しみにしてますからね♪』
クレープ楽しみかぁ…高瀬君ファミレスでも美味しそうにデザート食べてたからなぁ。
食事中もそうだったけど、高瀬君は美味しそうに食べるんだよなぁ。季節限定ケーキというメニューを悩みながら注文してたけど、食べてる時はニコニコしてて見てるこっちが幸せな気持ちになるくらいだった。
クレープも社交辞令ではないと信じて返信するかな。
『件名:こちらこそ、食事に付き合ってくれてありがとう♪
マジック、気に入ってもらえたみたいで何よりです。
わからない事だらけだとは思うけど、気軽に質問してくれればいいからね(^-^)
今日の続き、そしてクレープ食べに行くのを楽しみにしてるよ。
高瀬君の都合のいい日があれば連絡もらえるかな?
僕の方は、しばらくは大会の予定もないので、休みの日ならいつでも大丈夫です。
それでは、また♪』
社交辞令ならお誘いはこないだろうし、マジックも興味がなかったら通常勤務で問題なさそうかなぁ…それはそれで少し寂しいものもあるんやけど…。
さて、明日はジュンと朝から公園で遊ぶ約束かぁ。大きな大会もないし…暇してるからえぇんやけど、休日に遊ぶ同級生とか友達いないとかだとマズイから、タカシにその辺のフォローをしてもらうかなぁ。
コミュニティの年長者として、頼れる存在になれればえぇんやけど、あいつら絶対サボリーマンだと思ってるよなぁ。社交辞令じゃなかったら…高瀬君にフォローしてもらおう。
明日の遊び支度をしてるとスマホのコール音がする。
こんな時間になんかあったかな?
って、高瀬君やんか、なんやろ?
「もしもし、林です」
「夜分遅くすいません、高瀬です。その…主任、明日でもいいですか?…クレープ食べに行くの?」
クレープ?ホンマに美味しいモンが好きなんやなぁ。
「あぁ、別に構わないよ。さては…高瀬君も甘いモン好きやね?うんうん、楽しみにしとき、絶対にガッカリはさせないから♪お昼過ぎに迎えに行ったらええかな?」
「はい。えっ?いや、いいですよ、どこかで待ち合わせで」
「送ってもらったしね、近くまで迎えに行くよ。どこまで行こか?」
「じゃ、じゃぁ、四賀公園ってわかりますか?」
ジュンと約束してる公園だ、ちょうどいい。
「うん、わかるわかる。じゃ、13時半に四賀公園まで行くから、着いたらメールしてくれるかな?」
ジュンとは朝からやし、そのくらいには昼飯食べに帰ってるやろし、問題無ければジュンも一緒に連れていけばえぇやろ。
「はい、わかりました!」
「それじゃ寝坊しないようにね。おやすみ」
嬉しそうなんが声でわかるな、頬が緩むのが自分でもわかる。
「おやすみなさい」
汗だくでクレープってわけにもいかないから、ジュンと会ったらその辺の事情を話してほどほどの運動にさせてもらお。
いや、体育館行けばシャワールーム使えるから、変に説明しないでそっち行って公園戻るプランにしよう。
間違いなくからかってくる姿が想像できる。うん、そうしよ。
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