第4話 ブス、ブサイクと美形達の格差社会に対する所感
初めに断言しておく。これは私の僻みと嫉み。独断と偏見に満ち満ちた復讐の炎を燃え盛らせた持論である。なので、読みたくない人は読まないでほしい。読むのであればそれなりの覚悟を持ってほしい。
私にはどうしても聞いてて我慢ならない、反吐が出そうなぐらい不愉快なある台詞がある。冷やしていないビールや靴の裏にくっついたガムみたいに不愉快極まる台詞だ。それは───
『人間は見た目じゃないよ。中身だよ。』
嗚呼。嗚呼。なんたる汚らわしい偽善。なんという見え透いた薄汚い嘘。罪。許されざる呪詛だ。
ブスやブサイクは『美』という概念においては未来永劫、需要も供給も発生しない。(※稀にデブ専、ブサイク専、ブス専という特殊性癖を持つ変わった人々が存在はするがそういった人は極めて稀なのでここではカウントしない、少なくとも私は認めない。)
例えばだが電車内で痴漢事案が発生したとしよう。痴漢を行った男がブサイクであった場合とイケメンであった場合、どのような未来が予想されうるか。
①:痴漢がブサイクであった場合。
結論から語ろう。もう見渡す限りの地獄絵図である。誰も得せず救われず、ハッピーエンドの可能性等は絶対にない。犯人は先ず女性にビンタをくらいまくし立てられた後、周りの乗客達に取り押さえられ悪ければ袋叩きにあい、警察に突き出され人生終了といった具合だろう。なんとも短絡的、単調で見え透いたつまらないありふれたエンディングである。
②:痴漢がイケメンであった場合。(そもそもイケメンは女性に困ることなどないので痴漢等しないだろうが…)
面白いことに実に様々な可能性が発生する。痴漢された側の被害者女性好みのイケメンであり被害者側が痴漢を許容した場合、痴漢扱いはされず、警察に突き出されることもなく、下手をしたらそのままカップルが成立したり周りの乗客からは『あぁ、そういうシチュエーション、そういうプレイの一環なんだろう』と解釈されスルーされる可能性すらあり得るのだ。
何故このような可能性が生じるか。理由は一つ。イケメンであるがゆえ、全てが許されてしまう可能性があるのだ。
もっと言えば、不細工が女性にモテたり社会的に人より偉そうに振る舞うには何が必要か?即ちどこまでいっても金と地位と権力である。
映画等では高級車を颯爽と乗り回し優雅な世界でセレブな暮らしをしているのはトム・クルーズのようなイケメンが殆どだ。
だが現実はどうか?金も高級車も手に入れているイケメンなど寧ろ少数派であろう。
更に面白いのは高級車を直接オーナーとして買いに来る人間やどや顔をしている人間、特に男性の場合は私も何度か見掛けたことがあるが、大抵が油ギッシュであり寸胴短足、頭皮は焼け野原と化しており体型はまるで丸太かドラム缶のような体型をした男性の比率がやけに高い気がする。
ようするに本人達は金と地位と権力はあるが、絶対的に自分の容姿、有り様に激しいコンプレックスを抱いている人間であるがゆえ、高級車を購入し乗り回し大衆に見せつけることで自己満足を満たしているのだ。いわゆる『裸の王様』のそれである。
本人も周りもみんな『人間は見た目じゃない、中身だ』と嘯いておきながら、そういった人間こそすぐ見た目や見てくれの印象にあっさり騙される。つまり『見た目じゃない、中身が大事』だという言葉は真っ赤な嘘であると証明される。
更に面白い話をしよう。YouTubeで見掛けた企画だ。先ず仕込みで薄汚れた汚ならしい格好をした男にナンパをさせる。当然、声をかけられた女性はほぼ全員男を拒否する。だがその男が超高級スーパーカーに乗り込むのを見掛けた途端、手のひら返しですり寄ってくるといったものだ。
唐突な話だが筆者は30歳。恋愛経験はなく完全なる童貞である。身長は183cm体重は80kg程。一度もモテたことはない。身長の高さなど正直人生においては犬のクソ以下の下らない要素である。寧ろ筆者は背の高さに自分自身非常に迷惑している。ぶっちゃけ百害あって一利無しだ。
筆者には思い出深いエピソードが二つある。
一つ目は学生時代の話だ。廊下を歩いているといきなり一度も絡んだことがない同級生に喧嘩を売られた。いきなりぶつかられ何事かと視線を落とすと下から睨まれ『お前、デカイからって調子に乗んなよ』ときた。
あまりにも下らないことに本人が拘っていることに内心呆れ果ててしまったし好き好んで大きくなった訳でもない私としては極めて迷惑な話だと思った。無論相手にせず筆者は素通りしたが。その相手は面識こそなかったが女子にモテていたのは前々から知っていたがゆえに、背が低いからなんだと言うのか。顔が良いだけでモテているのだからそれで良いじゃないかとさえ思ったほどだ。
二つ目のエピソードは筆者が飲み歩きをしていた際の話だ。とあるスナックで連れと一緒に呑みに来ていた。
友人はラフでお洒落な格好をしていたが私は髪型はオールバック、上下はGUCCIの紺のスーツ、ネクタイも中の黒いカッターシャツもGUCCIで固めてそれはもう気合いを入れすぎなくらいめかし込んでいたのである。当然最初は連れと自分に一人ずつ女の子が付いていた。カラオケをしつつ酒を飲み馬鹿話で盛り上がり飲み始めて30分ぐらいからだろうか。状況が一変した。連れの隣に付いていた女性は変わらなかったが私の隣に付く女の子がハイペースで入れ替わり立ち代わりし始めたのだ。挙げ句皆やたらと愛想がよく名刺をやたらと渡してくる。極めつけは店のママがわざわざ出向いてきて名刺を渡して丁寧に挨拶をしてきたのだ。
悪い気はしなかったし筆者自身浮かれていたことは否めない。だが直ぐに事実に気付いて急激に冷めた。ついでに背筋も寒くなった。女性達に標的として捉えられたのだ。筆者は。コイツは金になるから媚びておこうと。
水商売の世界の人々は極めて目敏く耳敏い。金持ち、見栄っ張り、クズ、ヤクザ、同業者、様々な人間を相手取りしのぎを削っている。であればある意味最も人間のおぞましさを知り尽くしていると言える。
結局どれだけ栄華を極め品質が高くなり上品に振る舞おうが人間とは欲にまみれきり中身は腐敗し切っているのだ。
だからこそ私はありとあらゆるイケメン、美形が憎い。自分が身も心も無様で醜いと知っているから。そして何よりブスやブサイクは未来永劫需要も供給も人権も価値もないと断言出来る。『人間の存在価値は見た目と金と権力で決まる。中身が腐っていてもハイスペックATMであれば問題ない』これこそが現代の真理だと筆者は思うのだ。
………今回はわりとマジでどうでもいい内容を無駄に長く語ってしまった。だが筆者としてはこの議題は結構拘っているため語らずにはいられなかったのだ。暴論まみれではあるが筆者は本当の事を綴ったまでだ。
見え透いた嘘で真実を覆い隠し都合よくねじ曲げることはいつの時代も悪でしかないのだから、批評されようと石を投げられようと暴かねばならない真実も時には存在するのだから。
完。
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