第2話 入浴と食事
浴室。
シャワーを壁にかけ、ほどよい湯が私の身体を流れていくッス。
十八歳の乙女たる私の色気。
胸は小振りッスが、戦えるほどに筋肉がある引き締まった身体には自信があるッス。
「さて、そろそろ出るッスよ」
「ジュマ!」
元気よく返事をする
充魔は簡単にいえば使い魔みたいなもんで、いろいろ世話をしてくれるッス。
シャワーを止めて、そのまま脱衣室へ行く私。
普通はタオルなんかで身体を拭くもんでしょうが、なんせ魔力があるんで一瞬で乾かしてしまうッス。
まあ、さすがにというか下着やら服は自分で着替えたい、ていうのがあるんで手動ッスね。
「いつもいい感じッス」
ジュマの用意してくれた下着を身に着け、白Tシャツ、黒のジャージズボンの姿でドアを開ける。
「ジュマ!」
すると体長二十センチくらいのジュマが、敬礼のポーズで出迎えてくれたッス。
見た目、もこもこした白い犬って感じッスが気の利くいい奴ッス。
そして目の前にある十畳ほどの広さをした、ビジネスホテルの一室みたいなのが私の居住空間ッス。
壁際にベッドがあって、中央にテーブルとイス。
ベッドに座りながら見ることができるテレビがあるッス。
「それじゃ、さっそく食事にするッス。ナポリタンとオレンジジュース、頼むッス」
「ジュマ!」
ジュマが再び敬礼のポーズをしながら答えると、テーブルに大盛りのナポリタン、フォークとスプーン、そしてグラスになみなみ注がれたオレンジジュースが現れたッス。
これはジュマが宅神を介して食神から買ったものッス。
通貨は
ざっと二千神貨くらいッスかね。
まあ、一神貨一円計算なんで分かりやすいッスけどね。
ちなみにオオカミ型の
払いは
「────いただきます」
イスに座り、手を合わせて一礼してからフォークとスプーンを手に取り、麵を絡ませて口へ運ぶ。
「うん、おいしいッス」
親しみやすく気取らない味が、とても良いッス。
「ジュマ!」
ジュマもグッドの仕草で自分のことのように喜んでるッス。
「ジュマ、テレビをつけてほしいッス」
「ジュマ!」
右手の肉球をテレビに向けるとテレビの電源が入って、映像が映し出されたッス。
ジュマはリモコンの役割もするッス。
番組はニュース。
世界中の主だった出来事が放送され、知ることができるッス。
ネットで調べる方法もあるんでしょうが、そんなに深く知りたいわけでもないんでテレビ番組くらいがちょうどいいッス。
テレビを見ながら食べるのはお行儀が悪いかもしれないッスが、合理的にってことでよろしくッス。
ニュースの内容は政治のスキャンダル、経済、他国の大統領選挙などなど。
「むむ……」
そうして見ていると、少々、気になるものがあったッス。
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