第5話 とあるギルドの乾物店

 幹部は定期的に、島を一周する。時計回りに進んでいるのだ。大地があまりに堅いため、森林になる程の植物は育たない。林や茂みといったレベルだ。

 この辺の人間の食べるものは、大方水か、水を吸った葉や草である。すべてが甘い。だから、ここで目をつけられているギルドは、かなり頑張ったが魔王の手の内にいる。大地に水をまき、砂糖を作っている。

 やっと打開策が見えてきたかに見えた。不要なものでも、水から固形のものを生み出したことが大きい。しかし、ギルドは喜び、そして、砂糖は無料で、もっと甘い水を作って飲むために、配られていた。

「もっと甘い水で、人間が育っているだって?」

「なにが生まれるかわからん。早めに潰したほうがいいのでは?」

 幹部たちは、話し合っていた。

「でも、あんなに甘くて、虫歯にならないのか?」

「ああ。」

 幹部たちは、ポムと手槌を打った。

 勇者と思しき人は、倍速く人生を後悔していた。

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