第6話 だいたい1周してみたかね、幹部諸君!

「ギルドも、これが人知の限界じゃないか?」

 いつしか、幹部たちの間にそんな噂が流れ始めた。

 甘い、痛い、と子供は喜び、大人は苦しみ、成人病になって死んでいく。

「魔王様も残酷なこった。」

 幹部の一人が言った。

「しかし、葉っぱしか食べない俺たちも、いずれは来る時が来るのか?」

「魔王様のお考えひとつだろうよ。」

「こんな人間になっちゃいけない。何かしないと。」

 幹部たちも、自分たちのことを考え出した。

「……まあ、仲良くやっていけば、なんとかなるだろう?」

「甘い考えは危険だぞ。」

「生活ってったって、この島以外に何がある?」

「山でも登るか?」

 幹部の一人が、待ってましたとばかりに声を上げた。

「魔王様に会いに行こう!」

「おお!」

「その手があったか!」

「魔王様にさえ会えれば、新たな任務も生まれるし。」

「魔王様なら、新しい世界を創造なさるのかもしれない。」

「虫歯にならない地域を創ってもらおう!」

「バカ。俺たちだけなら反逆罪だ!」

「魔王様が創るんだぜ!」

「魔王様に仕えるという意味が分からんのか! 魔王様のお言葉は唯一絶対なのだぞ!」

「そうか。とりあえず、人間を全滅させてからにするか。」

「土産話があれば、大事丈夫さ。」

「今は言うな。魔王様に忠誠をまず尽くせ!」

「そうだな。」

「おう!」


 

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