第4話 とある勇者と腐った大地

 中肉中背の、ジージャンの両袖を切ったやつを着た男が、森の中から現れた。

「ここもそうか。」

 驚きもせず、かといって絶望もしない。岩の大地は、糞尿にあふれていた。

「でも、ここなら期待できそうだな。水を少しもらおう。」

 そういって、100mほど泳ぐと、水浴びをはじめ、その水を飲み戻ってきた。

「汚したのが自分だと結構気にならない。にしても、この大地には、雨は降らないのだな。うんこが固まっている。普通、そんなこと有り得ないのだが。まあいい、ここの木々の葉は、ちょうど甘くていいものだ。多少足は汚れるが。」

 幹部は言った。

「うーん、勇者の素質はあるが、魔王様の味方につけたほうがよさそうかな?」

「様子を見よう。ただのバカだろ。」

「発見者でもあり、冒険家でもある。同じような島を探すわけでもなく、大地の上がすべてだと思っているんだぞ。」

「そこは少しまずいな。」

「だが、、、あれ、あの男どこに行った?」

「旅の途中というわけか。目を離すとはとんだ失態だ。なかったことにしよう。」

「メモだけしておくか。魔王を探しているわけでもないようだしな。」

 平和とは、生まれた土地になじむことにあるのか、DNAで決まるのか?

 魔王様はまだ瞑想中である。

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