第3話 とある魔王と期待の勇者
筋トレムキムキマッチョが汗をかいている。まるで、自らの肉体から水分を搾り取るように。もし、この島がひとつの大地でできているならば、彼ほど勇者に近い人物はいないだろう。そう思われた。
しかし、血液がどろどろとしてくると、無性に水が飲みたくなった。水分が体内から急激に逃げることからの条件反射で、つい、飲んでしまったのである。男の精神は強かった。だからここまでの肉体をつけてこれたのだ。
同時に彼は賢くもあった。何者かの存在を幹部に感じていた。普通の人と違うことがあるんじゃないかという推察能力を身に着けてもいたのだ。しかし、あまりに絞った筋肉では声が出ない。彼はのどを枯らし、さらには、脳卒中で倒れ、魔王の情報は、伝わることなく死んでしまったのであった。
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