第2話 とある勇者と魔王の水
世界は甘い水に満ちていた。岩山ばかりであるこの土地も、雲の上まである山頂から湧き出る水が、島全体の水事情を抑えていた。誰もここには到達できない。魔王様を除いては。魔王様の瞑想の場所を残し、幹部たちに適当に来れないように、山の形を変えさせたからだ。さらに、彼らは2m近くあるのだが、彼らによって、雲の上を想像させるような生き物を作るなと、魔王様に命令されているのである。昔の世界というものは、たいてい現人神の創造物なのだ。
そんなことを知らない勇者たちは、各地で決起する中、一人の恰幅のいい2mはあろうかという男が立ち上がった。「わたしは、天の啓示をうけた勇者だ!私の所業を見てほしい。」と、男は、川から水をすくい飲み干した。何度も何度も繰り返し。「見たか!魔王の血を吸い取ったのだ!」
誰も、驚きもせず、あるものは遊び、あるものは、地面を転がっていた。
「この腹を見よ!人間の限界をとうに越えておる。お前らは、気が付かないのか?こんな簡単なことで、魔王を倒せるのだぞ!さあ、みんな!立ち上がるんだ!」
しかし、返答を返すものはいなかった。
ただ、幹部の一人が、報告すべきか悩んだという。
「あいつの歯はどうなっているんだ?」
「若さだよ。」もう一人の幹部が答える。「直、終わる。」
「魔王様への報告は?初めての例だぞ。」
「魔王様は、お見通しのはずさ。ヤツはもう山に登れない。」
「ああ、なるほど。」と、看過したのであった。
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