「バレていた」〈まろん×翠雨〉

翠雨 side


良い子は眠る丑三つ時。


私は隣で気持ちよさそうに眠る恋人(まろん)に、銃を向けていた。


殺す覚悟はあったし、シュミレーションもしてきた。


けど、いざ、目の前にすると上手く手が動かない。


銃を持つ手は震え、照準が合わない。




震える手で撃った弾は、少しずれ、耳元を掠めるように着弾した。


まろんは、その音で目を覚まし、半泣きで銃を構える私を見て、


「いいよ、殺して」


と、優しい声で言った。




その言葉に驚き、固まっている私の手を取り、自分のこめかみへと、銃口を当て、一言。


「ほら、殺していいよ?スパイさん」


と、笑って言った。








全て、バレていた。


私がまろんを殺そうといていたことも、私が敵国からのスパイだということも、






………私の家族が人質に取られていることも。




全て。








『ごめんなさい』




既に隣で冷たくなっているまろんに向かって言う。





"すぐに追いかけるから、



待ってて"


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