「バレていた」〈まろん×翠雨〉
翠雨 side
良い子は眠る丑三つ時。
私は隣で気持ちよさそうに眠る恋人(まろん)に、銃を向けていた。
殺す覚悟はあったし、シュミレーションもしてきた。
けど、いざ、目の前にすると上手く手が動かない。
銃を持つ手は震え、照準が合わない。
震える手で撃った弾は、少しずれ、耳元を掠めるように着弾した。
まろんは、その音で目を覚まし、半泣きで銃を構える私を見て、
「いいよ、殺して」
と、優しい声で言った。
その言葉に驚き、固まっている私の手を取り、自分のこめかみへと、銃口を当て、一言。
「ほら、殺していいよ?スパイさん」
と、笑って言った。
全て、バレていた。
私がまろんを殺そうといていたことも、私が敵国からのスパイだということも、
………私の家族が人質に取られていることも。
全て。
『ごめんなさい』
既に隣で冷たくなっているまろんに向かって言う。
"すぐに追いかけるから、
待ってて"
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます