「心残り」〈まろん×翠雨〉

まろん side


青い空が、やけに高い日だった。


私は大切な人を置いて逝く。


遺したのは、一つの指輪と、一通の手紙。



……君は怒るだろうか。


身勝手だと言うだろうか。





私の背中を押すように、強い風が吹く。



『ごめんね』



そう呟いて、屋上から飛び降りる。


下の道の人たちの悲鳴が聞こえる。





…君と一緒にいられない事が、ただ、心残り。

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