「視えていた」〈マイ×リラ〉

マイ side


私の目の前で泣きじゃくるリラ。


その涙を拭ってあげたくて手を伸ばしても、その手はリラの体をすり抜ける。


……泣かせたくなかった。


笑顔が似合うリラに、そんな顔をさせたくなかった。


『ごめんね』















「マイ先輩のバカ」


ゆっくりと顔を上げリラはそう言った。


私の目を見て確かにそう言ったんだ。

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