傷口をふさごう①


炎炎と燃える緑鎧はのたうち回りながら、

倒れた。


そして、うつ伏せになりながら必死に湖の

方へ体を引きづりながら、向かっていく。


多分、体を覆う火を消したいのだろう。


追い討ちでファイアーボールにもう

一発かまそうと思ったが、緑鎧の動きが明らかにゆっくりになっていくのを見て辞めた。

そして緑鎧は動かなくなった。

そして動かなくなった緑鎧は、まるで砂が崩れる様に消えていった。


そして目の前にスターテスが表示される。


ーーーーーーーーーーーー

さまよう鎧を倒しました。あなたに15000の経験値が入ります。

難波のレベルが上がりました。


ナンバ・ダイキチ


LV6→15


HP 92→214

力 24→73

防御 72→123

素早さ 56→114

MP 45→94


ゴンゾ(元・さまよう鎧)


LV117


HP 6032

力 3031

防御 3020

素早さ 3331

MP 2014


合計値 難波 大吉 + ゴンゾ

HP 6247

力 3104

防御 3143

素早さ 3445

MP 2108


ーーーーーーーーーーーーーー

難波は特殊能力、黒魔法ユニークスキル


浄化する鎧を取得しました。


スターテスを確認する中で、とうとう特殊能力を手に入れた事に気づいた。ただ


(黒魔法、浄化する鎧、なんだこれ?)


今まで、見に覚えのない特殊能力に少し首を傾げた。


その瞬間、後方からまばゆい光が輝いた。

ぼくはゴンゾをOFFにして、体の統制を自分に切りかえると、そこにはさっきまで緑鎧が倒れていた場所から眩く光る、光の玉が宙に浮いていた。


僕は感覚的にこれは浄化する鎧の効果による物だと確信した。


溢れる血を抑えながら、光の玉に近づきその光の玉に触れた瞬間、光の玉が消えてステータスが表示される。


浄化する鎧の能力によりあなたは、

鎧の思い出と鎧の遺産を手にしました。


(鎧の思い出と鎧の遺産、、なんだこれ)


ただ今すぐに浄化する鎧の能力を確認するのは辞めにした。

今すべきことは首から溢れ出た血を止める事だ。


すでに日が落ちかけていた。


(ハシカンはまだ戻ってこないのか、、

もしかしたら救援がまだ見つからないか、

それとも救援を見つけ、こっちに戻ってる途中か、、)


日が暮れたら救援でここまで戻ってこられるか、どうかも怪しかった。


ダラダラと溢れる血がゴンゾを濡らす。

感覚でゴンゾも心配してるのが分かった。


そして僕はある事を考えていた。

それは格闘漫画なのでよく見る、血が出る箇所を火でやいて止めるというものだった。

もちろん火は売ってもいいぐらい持っている。

つまり、やるかやらないかは難波の気持ち一つだった。


(、、、やりたくね〜)


それはもうやりたく無かった。

熱くて痛いのは嫌だった。

ただ、このままでは間に合わなくなる。

試しにファイアーソードをONにした。

轟々と燃え上がる剣を見てすぐに思う。


(これを首の傷跡におさえたら、顔が一瞬で燃え尽きるな、、、もっと弱火にできないだろうか、、)


僕は、さっき ファイアーソードの火力最大の事もあって火力の調整も出来るのではと睨んだ。


(という訳で、火力弱めで〜、もっと弱火で〜)


難波は火力が弱めになる事を祈った。


「ふー!!ふー!!」


無駄だとわかっいるが、試しにふーふーもしてみた。


するとぼくの思いが伝わったのか、徐々に火力が弱まるファイアーソード


そして、いい感じになった所で難波は心を決める。


そして、ゆっくりとファイアーソードを首元に近づける。


(熱いよ〜、やだよ〜、もうこの時点ですごい熱いよ〜〜)


難波はうっすら涙目になっていた、

しかし、やると決めたからには後には引けなかった。


(僕は男だ!!)


自分に言い聞かせた。


僕は切られた箇所にピタッとファイアーソードをつける!


(ピタッ!ジュー!!)


あたり一面に皮膚が焼ける音と煙が立ち込める。


「ギャ〜〜!」


難波は余りの熱さにその場でのたうち回った。


(ギャ〜〜!!)


次回に続く。

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