第2話②


しかし僕が見惚れているのも束の間


その鎧が剣を鞘にしまって勢いよく僕に向かって走ってきた瞬間、僕は素に戻る。


(えっ、なんか走って近づいてるくるよ!めちゃくちゃ怖いよ!えっ、どうするの?

助けてくれてありがとう。って言った方がいいのかな?いやっ、でも鎧だし。

っていうか、もしかしたら今からこの鎧にぶん殴られるかもしれないし、、だとしたら300パー脳挫傷的な奴で死ぬし、、土下座?良く分からないけど土下座しようか?よしっ、そうしよう!とりあえず土下座しよう!)


いろんな考えが頭の中を回り、最終的にとりあえず土下座をしようという訳の分からない答えに辿りついた僕は、よし今だ!と思った瞬間!

、、何故だか分からないが鎧にギュッと抱きつかれていた。

その抱きつきを例えると(長い間戦争に行っていて、なんとか生きて返ってきた彼氏を彼女が思いっきり抱きしめる。)そんな抱きつき方だった。


(えっ、どういう事?なんでぼく抱きつかれてるの?訳が全然分かんないんだけど?)


今度は頭が一転してフリーズする。

なんとか冷静さを取り戻すと、とりあえずは抱きついてきた鎧をひき離す。


「ちょっ、とにかくやめて。離れて!

助けてくれたのは、ありがたいけど、よく分からないけど人違いじゃないの?」


その言葉に傷ついたのか、僕から背をむけ走り去ろうとする鎧。


その様子にぼくは慌てて「ちょっと待って。そんなショック受けなくていいから。ごめん。だから逃げないで!」と言う。


そうすると今度は嬉しそうに振り返り、まるでデート中の彼女のようにぼくの肩に抱きついてくるのだった。


(何?この状況?)

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